LOFT 黒沢清監督シネマ&トーク (9月22日、山形フォーラム)
2006 / 09 / 22 ( Fri )
つうわけで、映画『LOFT』上映後、黒沢清監督によるトークショーがおこなわれました。

熱に浮かされた乙女状態だったのでアレなのですが、おもったのは、黒沢監督はまーかなりマジメに司会や観客との質疑に応じ、弁が立つというか理路整然と解釈しやすい答えを丁寧に提示していました。さすが。
また、お客さんもマジメというか、非常に作品への理解を欲しているのだな、と感心しました…。

(というのは、質疑応答時おれもナニカ訊こうとおもっても、「ゲイリー芦屋さんの音楽がわざとらしさすれすれのマッチングぶりで異常さをさらに醸しだしていましたが、リテイクとか出さないんですか?」とか、「集大成的な出し惜しみのない作品ですが、このホンで出資側(とくに韓国側)はなにも注文つけなかったんですか?」とか、「桟橋で中谷美紀を襲ったあのヒモ付きリモコンは、だれが投げて寄こしたんですか?」などと、くだらな過ぎる質問ばかりが浮かび、正直手を上げるのを躊躇)

質疑のなかで印象に残った回答は、最近印象に残った映画は?との問いについて、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』と、スピルバの『宇宙戦争』の2本を挙げ、とくに前者は「ひさびさにアメリカ映画を観たぜ、という気持ちになった」とのこと。
また、安達祐実は黒沢監督本人の要望(!)でキャスティングが実現、西島秀俊のみ脚本執筆時からアテ書きだそうです。

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『黒沢清の映画術』にサイン貰っちゃった…!
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LOFT
2006 / 09 / 22 ( Fri )
ようやっと、観ました。この上映の後、黒沢清監督のトークショウがあるっていうんで、そりゃもう、かなりガチガチになりながら。
結論から云うと、本作はオーソドックスな怪奇映画であり、これまでの黒沢作品の映画的モティーフの集大成のショウケースであり、なによりも思い切りのいい、風通しのよいデタラメな映画だ。

精神も肉体も行き詰まりをかんじた女流作家が、編集者の云われるまま郊外の一軒家に越す。隣人の正体、怪奇現象。過去と現在が周囲を森に囲まれた洋館に去来し、女流作家と、科学者と、編集者と、いまは亡きミイラと化した亡霊らを交差させる。

数々ある運命を操る異常な機械類や思わせぶりかつ強引なセリフ。
とくに、豊川悦司の大仰な処理の仕方が観ていて小気味良く、よい方に転んだ好例だ。
とにかく本作は思い切りがいい。突き抜けており、一切迷いがない。

これを傑作といい放つのには多少勇気が要るが、エンディングで溜飲が下がるおもいがしたのは紛れもない事実だ。

中谷美紀演じる女流作家が、洋館の以前の主である既に死んだ安達祐実の学生証を発見した瞬間から、異変を察知した豊川悦司演じる科学者が助けに来るまでのシークエンスは、ゲイリー芦屋の劇伴含め本作のエポックであり、大変異常。
黒沢監督いわく、「平板で怒っても笑ってても表情が変わらないまさに現代の象徴として」の西島秀俊演じる編集者の自然な奇矯性や、安達祐実の生き生きとした魔性ぶりも見ごたえ十分だ。

(フォーラム3にて)

LOFT

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