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her/世界でひとつの彼女 (2013)
2014 / 08 / 23 ( Sat )
スパイク・ジョーンズ、おもいのほかネクストいっちゃったなーというのが正直な感想。白抜き絶妙な色合いの赤バックでクロッシィのロゴみたいな螺旋をあしらい、TENORI-ONみたいなポロポロサウンドでOS起動。雑駁なパーソナライズドを経て、スカジョの声なんつーエロすぎる"彼女・サマンサ"が立ち上がる。我らがSiriちゃぬとは一味ちがうサマンサ、鼻にかかったちょっと品のなさげなキュートでセクシーな声、そして主人公の生活で暫らく欠落したままだったユーモア。ホアキン・フェニックス演じる主人公は、女々しく、メソメソしている。なぜってまあ、ルーニー・マーラと離婚寸前で判子捺す捺さないの呆然とした環境下で無思考状態だったのだから。問題を直視できず、ひたすら沈殿したムードの只中にいる、浸っている。毎日が反省会。そんなクソ状況のまえに現れた彼女はまさに・・・ああ、女神様。この最新式のAI型OSたる“OS1”だかいうのは、麻薬だ。それも5世代6世代を優に飛び越えた危険ドラッグ級のブツ。そう、自殺者やウツ、ひきこもりとか大量発生させそうな禁断のプログラム・・・。おれの卑近な印象としては・・・Siriもだし、LEXUSのG-Linkコンシェルジュサービス、当然のことながら度が過ぎる人工知能(超『Emmy』級)なので、ときめきサイエンスな気分にも。元カノ(!)エイミー・アダムスを筆頭、に周囲も心配してか(いい交友関係ですね)、オリヴィア・ワイルドなんつクソ最高なアマっこ(最近、DVDで『ドリンキング・バディーズ』観たばっかなので滾る)紹介してくれたり・・・。でもホアキン本気でダメな状況なもんで(エロゲ終盤スカジョが盛って盛ってキメセクハーレムさしかかり状況)、バツイチ子持ち、やり逃げ勘弁なんていう防御線張る待ったナシ退路ナシのリアル女子オリヴィア・ワイルドに、正直にひけてしまう。この感覚・・・分かりたくはないが分かるきがする・・・だからおれもダメなんだ!!

すでに一生分のすばらしい感情は、もうとっくに味わった。手元に残っているのは、すでに味わった感情の劣化版だけ。

・・・もうね、冷静にキモい男です。離婚調停のテーブルで得意げ満面の笑みでルーニー・マーラに「いまの彼女はOSでっす!(AIと云わないあたり絶妙)」ってOSにマジコイ宣言して、本気でキモがられ三行半突きつけられて、「あれ、おれ、やっぱ道踏み外したのかな??」なんて妙にクールダウンして(おそすぎ)、ここで教訓として捕らえる必要があるのは、「○○は俺の嫁」的ターム、それは本気でも趣味でもなんでもいいけど、常識的な世間や、すくなくとも元カノなどに安易に告げては元も子もなくなる、一切がダメになるということ。つづくOSサマンサが、人間(それもセクシーでマジメなブロンド女子)従えて、チャットの言葉遊びでなく、フィジカルなセックスに挑戦するとか・・・踏み外し上等と云いますか、本当にきが狂った展開に突入する。さらにクソ面倒な、「大抵の女って、長話すきだよねー」っていう禁断のハビットにも踏み込み、なんと641人の恋人とホアキン天秤にかけられるのやら(ビッチにも程が)。発狂必死の最悪な展開。この男の幼稚な依存のさまと、欲望に際限のない(人知や条理超えつつある)女の関係。スマホ版『幼年期の終り』と云いますか、サマンサはのちのスカイネットである、とかいうジョークが笑えない凶悪なオチ。前妻にトドメのメールとか、屋上で元カノと夜景眺めるとか、本気でこの問題を抱え込もうとしていない甘さが全編にある(一向に変化のないスパイクの仮託ぶりに辟易)。そこが惜しいといいますか・・・もって恋愛のはじまりとおわり、それも、ファストで条理や善悪を乗り越えた・・・にしてはきれいごと過ぎる感があり。アーケード・ファイアの劇伴はよいのだけれど、クレジットで流す"The Moon Song"カレン・Oのでなく、本編どおりスカジョとホアキンとので締めてほしかったなー。あ、でも、捧げられた4名の名前(James Gandolfini、Harris Savides、Maurice Sendak、Adam Yauch)を見たら・・・ズシッと染みたしなけた。

her/世界でひとつの彼女(2013)

(22日、フォーラム山形シアター3)
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マダム・イン・ニューヨーク (2012)
2014 / 08 / 23 ( Sat )
主人公のシャシは、古風だが家族を愛する貞淑な妻(でもめっちゃくちゃ美人で、サリーに隠れて見えないが間違いなくブリンブリンな脂のしたたる獰猛な肉体しているに違いない。演じるのは今年五十歳!のシュリデヴィ)。ラドゥ、という団子状のスイーツ作りが得意な彼女、内職でご近所で売りさばくのだが・・・会社人間の旦那(アディル・フセイン)はそれを良くおもってはいない。彼女の家族は彼女を理解してくれない、尊重してくれていない。旦那は飯炊き女程度、暇なときガキ相手にラドゥでも作ってればいいよー的な押しつけを彼女に要求し、思春期突入中の長女も英語がしゃべれない母親を内心バカにしている。それでもすべて、彼女は受け止めていたのだが・・・NYに住む姪の結婚準備で渡航、おもわぬ一人旅に。NYで彼女を待ち受けるのはカルチャーギャップというより、単純に言葉の壁。そんななか、彼女は旅の恥はかき捨て的な、大胆な行動に出る・・・4週間で英語が話せるようになる英会話クラスに挑戦!っていう面白くならざるを得ない筋ではあるが、定型からまったくはずさないで、見たいシーンやほしい出来事の連鎖。まあ、保守的で古風なインド人女性が、異国の地で自分を大切にしてもらう、尊重されるなんて云う事態に遭遇して動転したり、自由かんじたり、自分を見つけだすひと時。よろめき物のファクターだとか、人種の坩堝たるNYでの異文化交流・・・たとえば作中、ゲイが二人登場するなどスパイスも効いている(あの先生役のひと、なんてひとでしょうかね~)。また、ラドゥづくりをきっかけに、女性の自立なんていうちょっと上滑りな要素なんかも目配せされ遠慮なく盛りこまれる。時折挿入されるたのしい歌も、ドスドス刺さる太いイーブンキックにキラキラした上ものが乗っかってて踊りだしたくなるし、NYの街の風景も、外部の目を通して、っていう観光気分で愉快。そしてシャシの二人の姪っ子ラーダ(プリヤ・アーナンド)もきゃわわだし・・・出来すぎな位。でもまあ、基本的にはですよ、心ない言葉がひと(家族であっても)を傷つけるとか、一人の独立した個性であるまえに、妻や母親のロールを強要されてしまういまの女性のあり方だとか、ぽろぽろと出てくる。これは・・・観ていて迫るものがある(と同時に無理解な家族、とくに旦那や娘が悪者になってしまうのは仕方がないことなのかも)。クライマックス、全員大集合な結婚式とシャシの胸に迫るスピーチ!最後もやはりダンス!あえて重たいオチにはならない。女性監督ガウリ・シンデーによる本作、本当に胸がすく。

マダム・イン・ニューヨーク(2012)

(フォーラム山形シアター3)
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怪しい彼女 (2014)
2014 / 08 / 23 ( Sat )
怪しい彼女というよりも、口のわるい更には手も出す怪物的なババア(ナ・ムニ)が登場し、この凶悪な婆さんの悪態やら身勝手さやら毒舌ぶりに呆れながらも、さてさて、いつになったら中身がこの婆さんで、外見がポスタービジュアルにあるようなお嬢さん(シム・ウンギョン)が登場するのか・・・と待ちわびていた。と、同時に、あまりにかわいげのないクソ面倒なババアなので、これが若いお嬢さんになっても、どうなのか、ユーモアとして許されるものなのか・・・などとおもってしまう。んまあ、謎めいた写真館でパチリ、撮ってもらったらアラマア・・・ってスジね云っちゃうけど。この、藤子不二雄Ⓐの短編ふうといいますか、弘兼憲史『黄昏流星群』ノリといいますか、まあ最高に都合のよいファンタジー、漫画ですよ。だからよいのかもしれないが、クソババアが中身そのまんまで二十歳の美少女になって、かつ歌もお上手って漫画を漫画で最後まで見せきろうという、ひねらない当たり前の野心がここにある。あんがい、精神も若返って・・・みたいなありきたりなかわいげを見せないのがエライというか。婆さんは一切ブレず、周囲をババア時代以上の求心力で大混乱に陥れる。文字どおり"半地下"から、ディアステみたいな地下アイドル経由して、結果(いまさらかもだが)お茶の間のアイドルまでのし上がってく。ふとおもったのは、日本だったら滝田洋二郎あたりがソツなくリメイクできるかもなー、でも肝心の主人公誰ができるだろうってかんがえてしまった。婆さんも、若いのも。とくにシム・ウンギョン級の女優がいま国内にいるかなって。

怪しい彼女(2014)

(フォーラム山形シアター2)
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