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図鑑に載ってない虫 (2007)
2007 / 10 / 26 ( Fri )
本当にくだらなくて、予想外に面白かった。いや、かなり面白かった。で、悩んだ。

図鑑に載ってない虫

題名にある“虫”とは、仮死状態が体験できるとされる“死にモドキ”の基になるナゾの昆虫。
それを追い求めてルポライター(伊勢谷友介)、その友人(松尾スズキ)、自傷癖のある元SM嬢(菊池凛子)、やくざ(岩松了)、ヤクザの舎弟(ふせえり。最高)らが、ニアデスエクスペリエンス求め一本道RPGのパーティ宜しく皆でウロウロする話し。

んで、ワンシーンごとに、可能な限りの小ネタを準備し披露し、グダグダに展開していく。とはいえさっき挙げたように、聖杯を求めるアーサー王のような筋なので、盛大に逸脱して筋道から逸れても、結構キチンと復帰する(前のシーンに居ないのに、いまは居るとかそういうデタラメはあるが)。

こういう割りと王道な構造なので、観ていて不安にならない。そのへん凄いかなって(同系統の笑いを展開させる演出家で、映画のフォームになると途端に駄目な人っているでしょう?)。

主人公の伊勢谷は、おれの知る限りこれまででベストの仕事。松尾スズキは、自分に要求されている立場を充分に理解した仕事ぶり。カット毎の情報量を無闇にブチ上げるのに貢献。だが存在それ自体がトビネタなので、長く写ってると飽きるよね(このへん、大人計画の芝居での使い方をみれば判る)。菊池凛子は知る限り一番いやな気分にさせる演技を披露。みていて痛ましい女を地で演じてる(きがする)。岩松了やふせえりが大層よかった。ああいうの眼福っていうのな。あとね、ワンシーンかそこらだけなのに、妙に凝ったメンツが出てて、その辺は見ごたえあった。

監督・脚本の三木聡ってひとよく知らないんだけど、構成作家らしいです。けど『時効警察』もちゅうごくの文字の入ったBOXがあるけど封切ってないし、TV見ないからその類の仕事もよくわからない。けれど、おそらく想像なんだけどフォーマットが映画になっても、損なわれないという点が凄いのかなと。中味スカスカなんだけど、スカスカな人物が身体を張ってると、それなりに厚みがでてくるものです。

ワンカット、台詞でちょっとくだらない事云うにしても、見せられる限りは全部画で説明をつけている。
だから、“ボール一杯の塩辛”という台詞に呼応して、キチンと美術でボール一杯の塩辛を画で見せている。そういう無茶が全編に渡っている。作家の要求に応えられる美術も見応えがあったきがした。
あと、草むらの行軍やボートでの横移動のシーンとかねー。よかった。じつに映画的で興奮した。

繰り返しだし、とりとめないんだけど、これだけ情報量の多い話を、ちゃんと見せきるのが凄いなって。
こういうことで成立するんだー、みたいな。ある意味、いま考えてる企画への悪影響になりそうな…。

図鑑に載ってない虫

YouTube - 映画『図鑑に載ってない虫』予告篇 監督:三木聡

(24日、フォーラム1にて)

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