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遭難フリーター (2007)
2008 / 02 / 10 ( Sun )
派遣・請負大手の日研総業からキャノンに派遣されるフリーター・岩淵弘樹。平日は工場でプリンタのインクにフタをつけ、週末は東京で日雇い派遣の日々。こんな生活に出口はあるのか、そう呟きながら彼は自分自身にカメラを向け続ける。フリーターの権利を求めるデモに参加し、「不幸な派遣労働者」として全国放送のテレビに出演。「あなたは奴隷なんだよ!」と罵られ、拾った自転車で東京を疾走する。
生きることに遭難した彼の出口は、どこかにあるのか?

公式ホームページより引用)

遭難フリーター

じつに不味そうに飯を喰っている。これだけで信じられるきがする。
これでしょ。こういうのがドキュメンタリーでしょ?露悪的だったり、自己陶酔的だったり、醜かったり、青臭かったり、でもとても熱かったり。会場には岩淵弘樹監督本人もいらしており、隅っこでわれわれとともに観ていた。主人公は監督自身。2年前の生活を丸ごとパッケージングしてみせている。月曜から金曜までは日研総業の派遣。土曜はわざわざ上京してフルキャストの日雇い仕事をし、その夜マン喫なんかで日の出を待つ(おそらく、日曜は帰宅してひたすら寝て曜日)。プロデュースは土屋豊、アドバイザーに雨宮処凛と、いかにもな黒幕。挿入歌は豊田道倫。エンドテーマは曽我部恵一…っておい、サラッとすげえな…。

本作は、前述のとおり派遣労働者の生活実態を一見追うようで、しかし個人的な事情に比重が置かれた実に個人的な映画である。なにが個人的?別にこのひとは下流でも負け組でもないわけ。DVカムを回すことを(ここで計算の有無は問わないが)事実上やってるわけ。そうして、現に、こうやって脚光を浴びている。今後も浴びるだろう。作品そのものに話を戻せば、おそらく、仙台の実家で暮らせば、親のコネで適当なとこには就職できるはず。そうすれば多少なりとも自由なカネも出来るはずだが…。だか彼の個人的な事情というのは、東京への強すぎる、強迫観念的ともいえる憧憬があるため、そんな生活を甘んじる。いや、自らマゾヒスティックに選び取っている。だから、豊田道倫が挿入されたり、エンディングに曽我部恵一が流れることになんの違和も生じない。むしろその選曲あまりにも直球すぎるだろと…。

たぶん本質的な意味で、(本人も作中述べているが)所謂社会的弱者とか、負け犬とか、ワーキングプアとか、そんなんでないわけ。このひとは、たぶん好きでこの状況を自ら作り出している。デモの参加やロフトプラスワン出たり、TVの取材二本受けたり、ごく一般的に云われてるワープアのひとらなんか、そんなことしないし度胸ないので出来ないよ?でも、わかるきがする。おれも、ここで書くきのおきない事をわざわざやってた時期がある。ひとに嫌われるような真似を。たぶん、この監督より若いときだけど…。デモやマスメディアに対する違和を正直に表明する様子には共感できる。苦言を呈せば、AQUOS(!)に自分の出た報道番組写してベタで流して済ませるあたり、効果的だろうがチョイ楽してはいないか?あと、高円寺から自問自答しつつ延々夜歩くラスト。判るんだけど、自己愛に溺れきっておりちょっと戴けない。

YouTube - 「遭難フリーター」予告

(9日、山形市中央公民館4F大会議室、YIDFF 2007 アンコール上映にて)
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