ラスト、コーション (2007)
2008 / 02 / 11 ( Mon ) 何事も、ゴッコ遊びの間がたのしかったりする。なんせ、責任は取らなくてもいいし、飽きればやめればいいし。だがゴッコ遊びの時間を引き延ばしたままではいられない。そのうちに本気になってしまったり、真剣にやらなければならなくなったりする。だからいつまでも、そんな話しを続けねばならなくなる。
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きっとゲイなのかな?とおもって観ていた『ブロークバック・マウンテン』に続く、アン・リーの成人映画。政治色の強い映画で、なおかつきわどい性描写があるとなると(加えてランタイムも158分などというと)、なんつうか、ベルトリッチみてーな、退屈な文芸?かとおもっちまうがさにあらず。一応最後まで飽きさせず見せ切る娯楽作だったのでホッとした。多少、欧米圏での過大評価さはどうかとおもうが、アメリカ資本を入れながら、ほぼ全編中国語(普通語)つうのが凄いとおもった。…んまあ、ゲイじゃないのかもしれないが、かといって女が描けているか、または男女の間にある素敵なサムシングが描けているかといわれれば少々疑問ではある。繰り返すが、ゴッコ遊びまでは面白い。だけど、本気になり始めるとちょっとな。
あらすじはご存知のとおり、日本占領下の香港と上海を舞台に、抗日組織の女スパイ(新人タン・ウェイ)と、傀儡政府で日本の犬に成り下がっている売国奴(トニー・レオン)との間で繰り広げられる心理的駆け引きつか、情愛つかハニートラップつか、そんなかんじ。なんだか『ブラックブック』を連想させるが、あれほどミもフタもない内容ではなく、人間の内面を描こうとしてるというか、多少なりとも複雑さを訴えたいというか。…ま、だいたい同じだけどね。それプラス、ねちっこい情愛の描写が丁寧に盛り込まれている。結局ヴァーホーヴェンは戦争映画を撮ったわけだが、アン・リーは戦争「性愛」映画を撮ったわけです。 本作は香港編と上海編とに二分できるのだが、圧倒的に香港編のほうが面白かった。抗日運動の真似事をする若い素人レジスタンスたちの狂騒の様。夏休みを利用した児戯じみたゴッコ遊び。そんななかヒロインの都度とっていく行動と選択を、もうどきどきしながら見守るしかないのね。これは傑作だわ…ため息とともに、オボコくさいヒロインの醸す寸止めのエロに咽る。ひと夏の体験・抗日篇。だが所詮ゴッコはゴッコで終わる。ゴッコ遊びで納得のいく季節も過ぎてゆく。 そのあとはお待ちかね!のエロワールドなんだけど、なんつうのかな…そっからはちょっと低調というか、トニー・レオンやべえよコイツとかはおもうけど(行為の最中の目つきとか実にやばい)、今度は逆にヒロインに引っかかりが生じないのだった。軽々とキメるアクロバティックな体位も萎えさせる一因。そりゃー『ブロークバック・マウンテン』とおなじく、惹かれあってはいけないのに惹かれあう求めあう、たとえ障壁があっても…。そゆの訴えたいのはわかるんだが、果たして命がけになる、いつしか本気になる遊びの価値ってモンがおれには伝わらなかった。だし、南の採石場の結末までキッチリ見せなきゃ納得できない。遊びのお仕舞いまで、ケツ拭くトコまで、どうせならキッチリ見せてほしかった。 ![]() YouTube - Lust, Caution (10日、フォーラム4にて) |
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