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3-4x10月
2006 / 04 / 11 ( Tue )
恥ずかしながら初見だったのだが、とんでもない傑作でした。
監督第二作目…にして、この、全て放り投げた感じはなんなのか。

***

「おまえら一体何やってんだよヤクザ相手に」

そう、この映画はヤクザとその周辺の人物だけで成り立つ小さな物語だ。
感触というか味わいとして、黒沢清の『ニンゲン合格』を感じさせたが、その製作年度の10年近く前に、すでにこういったジャンル分けのできない不明瞭で異物感たっぷりの作品がつくられていたことに驚く。

主人公(柳ユーレイ)はなんというか、つかみ所のない若者でやる事なす事さっぱり要領を得ない。だが、ふとしたきっかけでヤクザ相手に因縁吹っかけられる
(ついでになぜか彼女も出来る。演ずるは石田ゆり子)。
事態収拾のため、スナックのマスター(ガダルカナル・タカ)に命じられ草野球のチームメイト(ダンカン)と一緒に沖縄まで拳銃を仕入れに行く。
行った先で偶然出会う奇妙なヤクザ二人(たけし本人と渡嘉敷勝男)に振り回されながら、首尾よく拳銃を入手するのだが…。

***

まともではないんですよ。第一作目は深作の代打だし(脚本は野沢尚)、真の意味で、そして満を持してのオリジナル作のはずなのに、なんでこうなるのか。
すでに武映画としての文体は獲得しており、完成している。
カットの並び切替しや省略、暴力描写はもとより、キャラクターの配置のなされかたに、その後の北野映画の姿が透けてみえる。
殴られ罵声を浴びるオンナがいる一方で、寡黙な天使のようなオンナが対になるように存在する。
コミカルな画ヅラからすぐさま残忍な描写へ切り替わる。
それが交互に、なんの矛盾もなく存在しあっている。すでに物語なんて、あってもなくてもいいという、そういう態度。

辻裕之や渡辺武が助監を勤めているあたり(多分製作側が気を利かせてつけたのではないか)、Vシネの萌芽をも感じさせる、ようなきもする。

あと一番重要なのは、音楽監督の不在、ここではないでしょうか(久石譲は『あの夏、いちばん静かな海。』から登板)。

草野球してるさまをSEとして拾い上げるだけで、充分沁みるエンディングになっている。

(DVD鑑賞)
3-4

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