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夕映え少女 (2007)
2008 / 05 / 18 ( Sun )
三話目のエピソードを演出したひとが地元出身だかで、今夜の上映で舞台挨拶するもんだから(たかだかオムニバスのなかの一本じゃねーか)、やたらと身内っぽいひとら、それも結構年配のひとらが集まってた。そういうひとたちを楽しませるような作品ではなかったのは確か。みんな寝てたよ?

夕映え少女
そんなわけで、おれなんか全然知らずに観てしまって(多少は事前の調査とか必要だよなあ)、深く反省した。本作は川端康成の少女趣味の短編オムニバス。文芸作品の、ただの商業オムニバス映画ではない。北野武や黒沢清が専任教授として教鞭を振るう東京藝術大学大学院の映像研究科に在籍の学生ら(当時)が、ジェネオンからカネ引っ張ってきてでっち上げた、一応商業映画の体裁で番線にのる作品。これを商業作品と云い張る厚顔さは見習うべきなのかもしれないが…。本編上映まえに三話目の「浅草の姉妹」を監督した吉田雄一郎氏が舞台挨拶したんだが、なんというか…この身内感におれはきみのわるい違和感をかんじたね。立教出て美学校出て藝大入って、そんで黒沢清に師事するという毛並みのよさにイラついたのかもしれないけど。

と、そんなことはどうでもいいのだが、4本中3本は女性監督によるもの。それぞれ個性的というか、いっちゃあなんだがほとんどのシーンで学生映画の範疇を超えてないというか、すくなくともカネ取る水準の、名状できない凄みはなかったきがする。超えてなくともよいとおもうんだけど、すくなくともおれから木戸銭、取ったよね?1,200円。そういう意味で、なにかが決定的に足りてない。とはいえ、まったく面白くなかったわけでもない。基礎撮影技術の見本市的なところもあった。V撮りは勘弁してほしかったけど。なお、脚本監修は井土紀州。

一本目「イタリアの歌」は吉高由里子(ぜんぜん、ミスキャスかと)と高橋和也の織りなす死の影が覆うメロドラマ…というか、意欲的なホラーにもおもえるが。これは素直に黒沢清なんかの影響下にある作品だとおもう。火だるまがグーだった。あと廊下に集うのはなんの意味が…監督は山田咲というひと。

二本目、「むすめごころ」は残酷だね!というような話し。百合な女子ふたり(山田麻衣子、高橋真唯)と、闖入者的な立場の青年(柏原収史)との関係をスリリングに描いている。個人的に4本中一番面白かった。精神的な取りあいと押しつけあいの果てに(ただし、当の青年は蚊帳の外)、非常に現実的な結末が待つ。かたや、幸せに暮らし、かたや、パンパンになって…散水車とかステディカムとか勇気ありすぎる。自転車が倒れて以降は活劇。監督は瀬田なつきというひと。

その夜凱旋を果たしたことで喝采を浴びた吉田監督の作品が三本目の「浅草の姉妹」。浅草を舞台に性を武器に鬻ぐ美人三姉妹(波瑠、韓英恵、三村恭代)がいた―。みたいな。これ、すごく変な話し。ただの活劇というわけでもない。弁士山田広野が進行役となってコミカルに展開するんだけど、痛快さの2,3歩手前で曲がれ右してちがう方向に向かっていく。安易に楽しませないというヘンな意思が伝わる。いきなり馬の頭がぬーっとせり出すあたり…。監督本人がブログなんかに絶対載せないでくれと云ってましたが本作、北野武が範を示すためテストショットを撮ったそうですよ(武と約束したんだって)。まあ正直、どうでもいい話しですがね…。ああ、花やしきBeeタワーのショットはとてもよかったです。

最後「夕映え少女」は、全キャスト中唯一まともに芝居の出来る、間持ちする田口トモロヲが登場。全編出ずっぱりだったので一番安心して観れた(それ以外の作品は、「え?高橋真唯…かな?」とか、「韓英恵…だよね?」というかんじで不安たっぷり)。宝積有香という女優さんがよかった。監督は船曳真珠というひと。

…とまあ、いろいろ女優さんのショウケース的な機能があるきもしてきたが、でもまあ、川端の名を借りた文芸作であり、藝大の監督領域の学生さんだから…北野武とか黒沢清とか名前も通ってるし…じゃ、ウチの女優使ってくださいよ的なつまらないせめぎあいとか、あったのカナ?って穿ってしまう難しいきもちになる一本です。

夕映え少女

YouTube - 映画 「omunibus 夕映え少女」 (07 日/0801 公開) 予告編

(17日、フォーラム3にて。スタッフに辻本貴則の名もあったような…きのせい?)
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