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僕の彼女はサイボーグ (2008)
2008 / 06 / 23 ( Mon )
観終えてしばらく経つにもかかわらず、なんともゴロッとした印象がのこり続けている、クァク・ジェヨンの待望の新作。『猟奇的な彼女』で耳目を集め、『僕の彼女を紹介します』という、なんつうか邦題にたがわぬまんまな作品で落胆させたクァク・ジェヨンが、日本の役者&資本(なんと山本又一朗プロデュース!)で撮ったという、それはそれは相当に不思議な出来ばえ。いや正直云って怪作…問題作。過剰にオンナノコにめり込む、クァク節というか…。オチの力強さ問答無用さは邦画のそれを軽く凌駕する、どうかんがえても韓流でした…といった按配。

僕の彼女はサイボーグ
基本的に、オンナノコは理解できない存在である…でも祭壇に奉るというわけでもなく、拒否するでも奉仕させるわけでもなく、あくまでアンタッチャブルで、でもまさしく理想の彼女。80年代ラブコメのフィーリング(ツンデレ未定義の時代のそれ)をいまに伝える作風が魅力のクァク・ジェヨン、今回もまさにそれを踏襲している。まるでもてなさ過ぎる主人公(小出恵介。こいつがいちばん昭和臭がする)は、なんだかしらんがスタイル抜群できゃわいくて暴飲暴食で口よりも先に手がでる謎なオンナノコ(綾瀬はるか)に偶然遭遇、一緒に食事してメシ代踏み倒したり民家(じつは主人公の家)に投石したり…開巻間もないのになにかといそがしい。

だが。ふたりはその夜わかれてしまう。自宅傍まで来ておいてバイバイなんてなんとヘタレな…なんで?って訊かれても答えられないのがラブコメです。階段を用いた上下に寸断された空間。頭痛しそうな片側通行の会話なのに、妙に情感が、一種異様な念が画面に宿る。このすべての都合や不自然さは、じつは終盤の強引なオチへ供せられてしまうわけだが、さきの情感でもってザワついて、このシーンきらいになれない。んで、その一年後、またしても誕生日の晩に主人公の前に彼女は現れるのであった―。という、筋です。

序盤は、スカイネットやサイバーダイン社の存在しない『ターミネーター』かな?とか。中盤は、最全盛の頃の小学館系ラブコメのそれや、あとまあ『ドラえもん』みたいなちょうご都合展開。終盤は…『A.I.』クライマックスのそれをおもわせる境地…もはやスケールが尋常でなく膨らみすぎて(あまねくすべてが、盛り上げ役以前の存在に)唖然とするほかない世界が広がる。

話しが多少横にそれるが、じつは地元と近県のシネコンで、本作のヒロインである綾瀬はるか嬢の舞台挨拶が予定されてたんですよ。じつは、6月14日に。で、詳細省くが、舞台挨拶はすべて中止となりました。ご存知のとおり。じゃあ、日をあらためて…とか無理でしょう。現実がフィクションに肉薄したとか、そういう問題じゃなく、シャレになってない。かように、盛り上げるためには穏当欠いてでもなんでもアリにしてしまう半島魂が全編漲っている。ちなみに、あのディザスター・シーン含め、本作のVFXのレベルは相当に高い。VFXプロデューサーは浅野秀二。実作業はリンクス・デジワークス他で、見事『ありがとう』越えに成功している(当然、『ドラゴンヘッド』や『日本沈没』あたりの比ではない)。それになんといっても、あの見事な切株ね。

本年度公開では『パラノイドパーク』に同様のシーンがあったが、本作での演出と描写は、OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』の最終巻クライマックスのそれに限りなく近い。要は、なける切株。なぜ、ここまでしなけりゃならないのか。…まぎれもなく数年前の『最終兵器彼女』でとっくに通過してなきゃならなかったイニシエーション(はっきりアンチモラルな表現と云い切ってもよい)が、韓国人カントクの手によって、ようやく実写邦画で果たされたのだ…といっても過言ではない。

はっきりいって、綾瀬はるか嬢にはなんの魅力もかんじない。いまもそう。でも、本作を観れば、いまの彼女にしか出来ない役だなあとしか(たとえばさ、『キューティーハニー』のサトエリとか、なんであんなに時期逸してるんだろう?とかおもわなかった?…映画館でおれは悩んだよ)。ああいう人工美的な役柄は似合う。同時に、土性骨がある女優だなとも。ストレスかかりそうな演技だろうに、そのへんは見事だった。綾波は無理っぽいが草薙少佐はいけるかもなあ。個人的には女子高(おなじPDだから鈴蘭高の使いまわしか?)にキティが立てこもるシーンがいちばんジンときた。へったくそな現場実況をするリポーター役に小日向文世。学校の先生役(またしても!)に愛しの佐藤めぐみが。こんな学校だったら編入したいです!キティ装ってでもな!

僕の彼女はサイボーグ

YouTube - 僕の彼女はサイボーグ TRAILER

(20日、ムービーオン シアター8にて)
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