FC2ブログ
神様のパズル (2008)
2008 / 06 / 26 ( Thu )
男子目線を介してのオンナノコ映画ってあるよね。いや、いきなりでアレだけど、男子からみた、女子というか。大体にして存在そのものがスーパーナチュラルなオンナノコをよ、むさ苦しい成人男性である映画監督が忠実に描けるほうがおかしいのであって、むしろ根本は、男子の好色な、好奇心な、純真な、そういう、まじりっけ全然アリの目線からでしか追えないよなあ…と、本作を観てその想いを強固にした。かつてオンナノコなんて理解できたためしがない。わからない、でも理想だけは(連綿と続く日本のサブカルチャーとして)図々しくもあるもんだから、だからこそ不思議ちゃんとか創出すんのよ。ピンク映画とかでもありえんキャラクターとかあるじゃんか(すきだけど)。あと、もちろんアニメキャラとか…。以下多少のネタバレ。

神様のパズル

途中まではかなりの傑作なんだけどねー…。鶴巻和哉のOVA『FLCL』(フリクリ)みたいな味わいも有。
寿司屋見習いで勉学嫌いでロックンローラーの主人公(市原隼人)が、双子の弟の姦計で素粒子物理学ゼミに加わることになる。そこに現れるジャージを着た美少女天才物理学者(谷村美月。全編ジャージでほのエロさが全編覆う)。かようにチグハグなふたりが、宇宙創成の謎に挑むのであった…。ありそうで、なかったようなきがする筋。だが、どこにどういうニーズがあってこんな話しになるのかが不明。全般的に理系な調子なのだが、半ば強引にテーマ引き寄せ、横浜放送映画専門学院卒の三池崇史(共闘するのはNAKA雅MURA)の世界にしてしまおうという思惑が透けてて小気味よい。

たとえば、違和感の立ちのぼるディベートのシーン。あんな尺は要らないはずだが、あの長さが妙な味になっている。場の全員が、おまえら自分の云ってるセリフの意味ちっともわかってないだろう!と問い詰めたくなるところや(原田眞人もそうなんだけどアッチはもっと性根がわるい。過剰なやくざ芝居をサラリーマン問答に移植)、おそらく松井祐一の仕事であろう首吊りシーンなどなど…。もちろんホメ言葉としてなんだが、『アンドロメディア』からの確実な成熟をかんじる。

また、いわゆる中央発令所シーンというか、ブリッジ(艦橋)シーン。ここも見事だった。おそらく樋口真嗣がコンテ切った『劇ヱヴァ』のヤシマ作戦が念頭にあったのだろうが(他、ノーパソ叩く美月ちゃまはMAGIシステム内部の赤木博士のイメージ)、なによりおそらく深作よりも金子よりも(実写の)押井よりも巧い。役者もよかったし(遠藤憲一や國村隼、塩見三省などの、いつもの面構え)。反面、直後の「むげん」へのカチコミは本当に冗漫。長すぎて間が持ててない(ここもっと絞っとけば…)。

はじめの話しに戻る。男子目線がどうのこうの。本作の主人公は、やはり谷村美月じゃなく市原隼人だ。本来こいつは別のオンナノコ(松本莉緒)が好きで、でもなんだか徐々に美月ちゃまもきにかかる、そんなスタンス。軽い。でも、本命なんかより対抗や穴のほうが得てして魅力的だったりするし、往々にして本命なんか相手にされないんだから。最初、仕方なしに通った彼女の自室。何度も何度も。妄執に魅入られている美月ちゃまを放っておくわけにはいかない。「一体なんなんだ?アイツ」から次第に、「アイツ、おれがなんとかしなきゃ…」へ。だが、そもそも頭脳や考えはつり合わないし、実の親にもバカにされてるようなロクデナシのおれが、アイツになにが出来る?…そうだ。アイツに旨い寿司を食わせてやりたいよな…。

市原隼人、この役者はなんか嫌えない。観ながらおもったのは、このひと、哀川翔と竹内力を足して二で割った(それで多少ライトにした)ような、そんな存在に近い将来なるのではないか。なんだか逸材だなって。嫌味にならない、けどふてぶてしい存在感。云い切れず淀む語尾、なのにビシビシ突き刺さるセリフ。なんだか、ここ15年くらいの日本のジャンル映画を牽引してきた男たちの魅力があるようなきがする(あと、今年このひとの出てる映画3本目というのもあるせいで慣れたのかも)。とにかく三池演出と親和性高い。

他方、ヒロインの美月ちゃま。ゼメキスの『コンタクト』と、精神性は間逆のアプローチで宇宙開闢のスーパーミステリーを解き明かそうとするオンナノコを演ずるわけだけど、この彼女がかなりの曲者で、曲者好きにはたまらないキャラ造形であります。こういう演出も三池できるようになったんだ…!長い黒髪!理系!巨乳!おみ足!ジャージ!ボク喋り!…(目頭を押さえて、)やっぱ最高です。

神様のパズル

YouTube - 「神様のパズル」予告・ロングバージョン

(24日、ムービーオン シアター5にて)
映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<japanese funeral beat | ホーム | "Encounter" vs "Farewell">>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://daliandisease.blog47.fc2.com/tb.php/1447-1ce48844
| ホーム |