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害虫 (2002)
2008 / 07 / 31 ( Thu )
害虫
風に吹かれて、なびかれて、どこへも行きようがない。徹底的に孤独。この世界、半径三キロ四キロ程度だが、要するにグラウンド・ゼロなわけで。孤独の爆心地で前を見据える―。現実派厳しく、険しい。教師との愛、中学生、母子家庭、自殺未遂、ヨネヤマプランテーション、観賞魚、登校拒否、偽善的な同級生、浮浪児、浮浪者、スクウォッティング、当たり屋、モーテル、突風、大型ダンプ、覚せい剤、血に塗れたモンキースパナ、母親の"友人"、黒いガムテープ…「おばさん!サッちゃんかわいそうです。どうして…どうして…(中略)私たちまだ中一です。どうしてサッちゃんだけがこんなにかわいそうなの?(後略)」。

害虫

封切から数え、何度観たかわからないほどなのだが、その都度頭蓋を鈍器でカチ割られるような、そういった爽快さと興奮と、同時に当惑と混乱の情に見舞われてしまうハードボイルドであり、ただひたすら傑作。タイトルどおり、自意識ないままに(むしろなんでこんな阻害されてんのかなくらいの話しで)、かかわる者に害悪を伝播させてゆき、周囲をどんどん不幸に陥れる恐怖の女子中学生、北サチ子。繰り返すが徹底して無自覚(かつ、無慈悲)。

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彼女を演じる宮崎あおいは、2002年の時点で悪名高き関西援交シリーズすらをも超越した無垢っぷり、イノセンスっぷり。たぶん、画面に映っていないだけで、あおいちゃんがぼけーって国道脇に突っ立ってるだけで、大小あわせて十台くらいの玉突き事故とか起きとるよね現実問題。ただフレームの外なだけで。…このイノセンスで美しい毒気にあてられて、iridium192なみの致死性にヤラれる。

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まあ正直、あおいちゃん本人はぜんぜん悪くないよ!とかおもいつつも、火炎瓶もって笑顔で破壊活動に興ずるあたり、相当なもんだとはおもう。本作を前後して、宮崎あおい映画が多数製作され、邦画界はある時期まで宮崎あおいだらけという事態に相成った(いまNHK仕事に軸足移してるのは賢明)。おもうんだが、監督の塩田明彦はこんな映画撮ったんだから、もうどろろでもなんでも撮っていいとおもう。作家としては…赤球出たってだけでさ(『カナリア』、わるくはないが、本作には遠く及ばない)。

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(DVD鑑賞)
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