FC2ブログ
非・バランス (2000)
2008 / 08 / 04 ( Mon )
Off-balance
この映画の主人公、松本千秋(派谷恵美)は、中学入学時にある誓いを立てた。その一、クールに生きていく。その二、友達はつくらない。この二箇条をたずさえて杜の都・仙台シティをクールかつ孤独にサバイブしている。そんな彼女、偶然おかまの菊ちゃん(小日向文世)と出会う。おおらかで屈託のない菊ちゃんと、そのおかまの仲間たちとの多少奇妙だが暖かいふれあいのなかで、ささくれだった千秋の心は次第に変化していくのだった…みたいな話し。爪弾かれた者同士だが、なんだかウマが合う。なんだかたのしい。

普段、大量虐殺シーンとか、プールサイドのブロンド美女の水着とか、そんなもんにしか興味を示さないおれですが、本作だけはどんなに汚らしい手を使ってでも皆に知らしめたい。知ってほしいと切望する。中学生の女子に、人生が戦場だなんて知ってたよ、なんて云われたらほとほと困る。そうなっちゃうと『害虫』のサッちゃんになるのだが、やはり必要なのは大人の理解者。おかまの菊ちゃん、多分世間一般の尺度から云ったらば、かなりのアウトサイダーなんだとおもうし、じっさいどうなのよ?という所もある。

だが、中学生のちいさな世界のなかで、率先して世界の端っこに突っ立った千秋を見つめる菊ちゃんの眼差しはとても優しい。こういう、多少の逸脱もひっくるめてガハハと受け入れてくれる菊ちゃんのような大人が、そんな存在がいま必要なのだとおもう。現実はけっして上手くいかないし都合よくもない。けれどそれほど悲観するものでもない(とおもう)。むずかしいけど、でも鍵はこの映画が教えてくれる。

監督は冨樫森。長編第一作目でこのクオリティ!師匠の相米慎二ばりのショックシーンを配しながら、情緒あふれる素晴らしい作品を物にした(余談ながら、1990年の『櫻の園』でも、冨樫は助監を務めている)。菊ちゃん役の小日向文世も良いが、やはりヒロイン千秋を演じた派谷恵美がもう!基本、洞口依子やペ・ドゥナの系譜の顔だち…なのだが、なんつうか、まさにヒロインになるべくしてなったような女子。このへんのラインは、いま谷村美月が担ってるようなきがします。…とまあ、こんなふうに「オンナノコ映画」とかなんとか、駄法螺吹いてるわけですけど、本作は真っ当に良い映画。夏休みの小中学生に観てもらいたい傑作。だけど、残念ながらDVDは廃盤となっている…。ふざけんな馬鹿野郎!メーカーは即刻HDリマスター盤をリリースすべしって話し!以上!

非・バランス

(レンタル落ちVHSテープで鑑賞)
映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<パリ、恋人たちの2日間 (2007) | ホーム | ぜんぜんおっけー☆>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://daliandisease.blog47.fc2.com/tb.php/1506-1aaed0aa
| ホーム |