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東京上空いらっしゃいませ (1990)
2008 / 08 / 13 ( Wed )
あはは。観返したら泣いてた。相米慎二では個人的にはこれがベスト。世評的には相米のフィルモグラフィのうちでは決して高評価ではないが(わからないではない)、そういうのって個人の鑑賞時点での心情などに左右されてしまうものだとおもう。ともかく、この作品は重要。

Tokyo Heaven

とりあえずDVDはだいぶ前に廃盤です…。歴史的見地からも出せっつうの。
売り出しちゅうのキャンギャル(こういう表現も風化したよね)である神谷ユウ(牧瀬里穂)、スポンサー会社の上役(笑福亭鶴瓶)に枕接待を強要される。激しく抵抗するユウ。それを見ていながら、なにも出来ないでいるユウのマネージャー(中井貴一)…。逃げ出そうとクルマから飛び出したユウは、後続車に轢かれて事故死。幽霊となり自分の姿で地上に戻ったユウのとる行動とは…?

詳しい話しは省く。この映画は牧瀬里穂の魅力が100%詰まった奇蹟のような作品である。牧瀬の映画と聞いて、一部でクレームがついた。どうして『幕末純情伝』じゃねーんだよ?とか、なんで『つぐみ』にしないのさ?とか、なぜそこで『ターン』を出さない?とか…。わかるきもするのだが。だが申し訳ないが、ここで牧瀬のベストを断言してしまうが、本作だ。譲れない。牧瀬の出ているカットはすべて、この世に神の実在を、確かに証明してくれているかのような、そんな驚きと神々しい瞬間に満ちている。

ハンバーガー屋でバイトし始めるユウ。わが目を疑うようなワンカットの末、牧瀬から出てくるセリフは、「私の自信作です!それが美味しいの!」。この瞬間、すべてのファーストフードは牧瀬に跪くのであった。1万出しても惜しくないセットの出来上がり。ユウに負けじと、寄る辺もなく立つ瀬もないミキプルーンも、次第に変わり始める。階下のセフレ(毬谷友子)がユウにささやく。「ヤドカリと一緒になって幸せになれるでしょうか」。…しらねーよそんなもん。どこかが痛い。みんな、おなじだけ少しずつさみしい。

後半、ニッチもサッチもいかないことがわかり始める。出し抜けるほど相手は優しくはない。「へんだけど、わかんないけど、いまの自分が一番いい!」。自己言及。自分のことや、世の中のことも多少わかり始める。けれど自分は死んでしまっているのだ。「ずっとここにいたい」「…ここにいろよ」「いつまでいられるのかな…?」。

クライマックス、ミキプルーンの窮地に段ボール怪人が颯爽と登場。「コンバンワミナサンオゲンキデスカ」。そっからは活劇。斬った張った、ストレートさの塊。ユウは心のそこから叫ぶ。「自分に戻ったのは絶対正解だった!」。ユウがいなくなり、ガランとしている自分の部屋。しばらくはきっとさみしい。でもコオロギの云うとおり、死んでもユウのことはわすれないだろう。

(レンタル落ちVHSテープで鑑賞)
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