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カミュなんて知らない
2006 / 05 / 09 ( Tue )
正直、ぎこちない映画であろうと、予告観ておもった。
あと、『映画芸術(2005年秋号)』の記事から想像するに、若年素人学生が、壮年の妄想…につき合わされている珍妙な映画だろうと勝手に想像した。当たってた!

camus0.jpg

***

遺跡から発掘されたような不思議なおもしろさ。同時に、やたら若い(柳町が)。
この若さは、キャストの若さでもなければスタッフの若さでもない。
はっきり云って作中のセリフ、ものすごい違和感の塊。説明したくて堪らない。そんな感じ。
けれどこういったホンを書いて、役者に云わせる感性が、邪悪で若い(=青いでもOK)。

***

冒頭からして、これはヤバいものを観ているという共犯感覚を醸す気味の悪い長まわし…。
しなやかに、かろやかに…しようとして、全くもって逆の作用。えらく息詰まっていく。

幼稚なディスカッション(これは狙いだろう)は延々と繰り返され、ほとほと付き合えなくなっても、まだやめない。延々語らせる。想いの丈、身勝手もいいほどに自分語りする。
こんな若者いないよ!わかってるよ!そう応える柳町光男の声が聞こえる。

大人は一切語らない。
子供だけの世界。

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主人公たち、正直なところ本当は映画制作なんてもんより、引っ付いたり離れたり、チュバチュバしてるのに(若いから)大変で、そりゃ大層苦労している。
その関係をキャメラは求めまくって人物らの動きはどんどん複雑に、同時に整理されてゆく。

冒頭で示された主役の不在に次いで、カントクも、そのヒモも姿を消す。ここまでグチャグチャにして、放置して、それでも突き進む。
いいのかよ。有りかよ…その傍若さについて行けず、己の体力のなさを痛感する。

***

大学の先輩の映像ゼミに付き合って、ちょこっとこういう半分本気みたいな編成で卒制の作業に加わったことがありますが…こんなのありえないとおもうんだけど、どうなんでしょう。

現場に常時10人程度のクルーが間違いなくいて(それも本読みの段階で、だよ!?…メイキングなのかDVカムもまわしてるし)、時代的にMACのFCPで編集ってのはあり得るにせよ、機材的にもビジコンやドリー、製作の奴はチャンと道路使用許可まで取ってるし(…ビジコンはさすがに使っていたかも)。

ピンクでもそんな真似しないでしょ?ゲリラ撮影でしょ?
許可下りるまでどんくらい時間&カネかかるとおもってんだ!とかいって一蹴なきがする(実際、かかるよ。両方)。

どうせなら、助監督がクルマ止めしてるシーンとか観たかったな…。
あ、あと現場的に、前田愛ちゃんみたいな助監が一人はいないと学生のゼミ映画は成立しません!

***

最後の仕掛けに関しては(ネタ割ってます)、

1、ここまで延々、ガキが「ガキの殺し」をさんざ語りあかして、段取ってやんないと、子供の衝動の説明なんてつかないんだよ(ないしは、ここまでやっても説明なんてつきやしないよ)。

2、殺人に関して昨今安易な表現が多すぎる。ほんとうの残虐殺戮描写ってのはこうすんだよ。

3、2に関連。安易な表現が浸透し過ぎることは、少年犯罪の増加の原因のひとつ。だからこういう表現は適切に、適度におこなわれるべきだ(最後の居住まいの不味さは、メディアのそれと同じですよ)。

ってことあたりなのかな?…謎ときは無粋で無意味かもしれない。
でも、この後を引く苦味は、テーマに対して真摯過ぎるからだろう。

***

カミュなんて知らないが、『カミュなんて知らない』っていう妙な映画があったってことだけは、脳裏にどうしたってこびり付く。こびり付いてはがれない。どうもそんなきがする。

あ、パンフ買いました。

(4月21日、フォーラム2にて)


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