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河童のクゥと夏休み (2007) ※リバイバル上映
2008 / 09 / 05 ( Fri )
観ながら、後頭部とかが痛くなった。感動しながら延々悩んだ。ボロボロ泣きながら途方に暮れた。ちょうど一年前に封切で観てて、当然傑作だとおもった(しDVDも買った)。なのでまたスクリーンでクゥたちに出会えるのだという喜びがアタマにあったので後先かんがえず足運んだんだが。やはり意識してしまうのは、ヴェネチアでも話題沸騰の"世界の巨匠"の最新作『ポニョ』との、比較しようのない比較であり、相似で相違。どのみちキモカワ海洋生物と人間の少年との出会いの夏休み。でも、なんでまたここまで異なってしまうんだろう?そもそもおなじアニメーションなのに…。

河童のクゥと夏休み
とりあえず共通点を探すほうが困難なのだが、宮崎は動画の快楽のひと。辻褄なんて合わないでも構わないという考えの持ち主。対して本作の原恵一は、登場人物そのものやキャラクターの織りなすドラマを描こうと懸命である(そのドラマはややもするとアナクロですらある)。多少画が崩れようがバラけようがビクともしない。アニメと云う手法で痛々しいほど真っ向からテーマにぶつかっている。

アニメでも面白く深い感動を与えるドラマが出来る…それはわかる。省略や洗練、アニメ的なケレンなどにはまるで興味がなさそうで、結果、かなり異質なものを見せられているようなかんじが終始つきまとう。デザインにしてもレイアウトにしてもそうだし、作劇にしてもそう。おれが毒されているだけなのだろう。んまあ資質としてはやや高畑勲寄りの、日常描写系のひとなんでしょ?では片付かないんだよ。なんといったらよいのか…。どちらにも共通するのは人間および文明への強い不信だろうが、高畑ほど冷酷でないとおもう。

これが映画か?と聞かれたとき即答できないようなきがする。そこいらの邦画や洋画が束でかかっても敵わないほど立派な劇映画なのだが、本作と、あの怪作『ポニョ』とが1年間をおかずに劇場公開されている、このいまのアニメーションの現状がじぶんでもわからなくなってしまう。むずかしい。

異物(クゥ)が人間社会に混入して発生しうる全てを、ゼロから本気で描いている。だからたっぷりの尺。押井とはまたちがう意味でカットがかからない。でもその芝居の長さが代えがたい妙味である。かといってリアル一辺倒でもない。根気がよく続くなあって…。たぶん萌えとか、そういう商売気のあるアニメの、スタンダードなものから最もとおい作品ではないかと。どっちが王道だったのかはもう忘れたが。けど何年かおきに、たまにそんなアニメが現れる。たとえば『ユンカース・カム・ヒア』、たとえば『アリーテ姫』とか…恣意的でいかにも傍流。そうしてみると、原、意地を張り通しただけようにもおもえるのだが。だけど…。

(4日、フォーラム2にて)
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