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歩いても 歩いても (2007)
2008 / 09 / 23 ( Tue )
ジャンルに固執しているわけではないのだけれど、結果としてどの棚に収めたらよいのかわからなくなる是枝裕和の最新作。まあ、コメディタッチの現代風ホームドラマとしておけばいいのかもしれないが…。次々回作あたりでは子供描写や社会病理のスパイスすらなくなってるのではと…それはそれで観てみたいが。

歩いても 歩いても
老いた両親(原田芳雄と樹木希林)のいる三浦海岸の実家に帰省する次男(阿部寛)とその妻(夏川結衣)と妻の連れ子(田中祥平クン)。阿部は、はっきりいって両親なんかに会いたくない。なんせ失業中だし…。でも死んだ兄の墓参はしたい。夏川のほうも、泊まりがけで旦那の実家とかどうなの実際、といった風情。ふたりとも、なんだかそういうジュクジュクした感情。原田も樹木そう。どうしても死んだ長男のことを想い出す。実家行くとほら、親戚つうか、兄弟?いるじゃん。姉夫婦(YOU&高橋和也)がさ、妙に親に取り入ってる様子だし、調子のいいカーディーラーの義兄からRV車買うよう勧められたりとか…もう、勘弁してくれという。

登場人物すべてがなんらか互いにある種の関心やら感情やらを持っていて、最後まで隠しとおす者もいれば、発話してせいせいとした表情になる者もいるという、心理を覗き見るような、噛んで含める必要がある帰省ドラマ。ちょうどきょう、秋分の日じゃないですか。おれなんか、何年も墓参りなんかしてないので、なんつうか阿部のきもちがなんとなくわかる。どんなツラさげて親戚の家に行けばいいの?先祖の霊と対面すればいいの?なんつうか、二日間ばかりを追った単なるホームドラマなのだが、見事に中央に空白があり(当然水難事故で死んだ阿部の兄貴ね)、それを追い求める家族の姿がそこにある。普段省みられない死者が急激に存在感を増す時間。

そしてこの時間だけつつがなく粛々とやり過ごせば、また普通の、いつもの日常がやってくるのだ、という我慢比べのような態度でもって、軽く互いの感情に触れたり、逆なでしたり、そっとしておいたりするような二日間。だから、大事件など絶対に起こらない。起こしようがない。つつがなく、粛々と。どいつもこいつもいそうだよ各自の家庭に、一族に。歩いても歩いても、なんなんだよいったい?題名もなんだか嫌だ。なんかねえ、是枝裕和がますます底意地悪くなったようなきがする。唯一、夏川結衣だけが心の支えだった。夏川みたいな嫁さんがほしい。あれなら実家帰っても全然OKでしょー。

歩いても 歩いても

(フォーラム1にて)
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