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きみの友だち (2008)
2008 / 10 / 21 ( Tue )
なんのきなしに観たのだが…打ちのめされた。喜ばしい衝撃。傑作すぎて困る。諸手挙げて褒めるのには抵抗があるが、けれどここで称えずにいつ称えよう?こころを何にたとえよう?…まあ、ともかく、こういうきもちになったのは久々。限定的でアレだが、ある面においては、ダントツで今年度ナンバーワンの"オンナノコ映画"と云いきっても過言ではない。

きみの友だち
ある時期の友情という、形容しやすいようでいて、でも非常に困難で複雑怪奇な間柄についての真摯な物語。甲府盆地を舞台にして、多少ベタだが格好つけてない、心情あふれるタッチで純粋に、"友だち"ってもんを語る。原作は重松清。監督は廣木隆一。…おみそれしました。原作はしらないが、うまいこと置換させた脚本は斉藤ひろし。ともすればウェットに流れそうなトコを、適度な距離感で品よく見せた撮影は芦澤明子。奇をてらわず、呼吸しているかのような、でも延々と続く長いカット(そして直後のエモーショナルな寄り)。相米慎二・黒沢清以後の邦画の、あらたな長回しの姿ではなかろうか。

冒頭、切り替えしながら甲府の街並。不登校の子とかが通うフリースクールから物語が始まる。不器用そうに生きている恵美(石橋杏奈。逸材かと)と、取材で来た中原(福士誠治)との雲の写真を介したおぼつかない出会い。そして、恵美のこれまでの歩みと、その周囲にいたひと達との幼かったり切なかったり悲しかったりうれしかったりする、"友だち"関係が、さりげなく群像劇風に(要はオムニバス。もっと云えば、アニ研連でおなじみの"しりとりアニメ"ライクに)描かれる。

そーゆー筋立てなのかー構成なのかーと、ある意味犯罪じゃね?ってかんじの中学生役!の吉高由里子!!をボケーっと眺めながら、ようやく理解。そして、ただウンウンうなずくばかり。そらヤバいわ。そら卑怯だわ。その後は、カウカウファイナンス並みの涙の取立て。ただ、全然湿っぽくない。下手したら下品の極みになりそうな(普段のおれなら唾棄する)題材を、クリックっぽいエレクトロニカっぽい洒落たBGMに乗せ、安易に感情に流されない実にファッキンクールなキャメラで、でもまちがいなくこの、いまでしか在りようのない瞬間を捉える…。いっこいっこのエピソードの尺も適切かつ、やたらとピークもつくらず、もっと見たい!とヒキ作りつつ見事に次に繋いでいく。

実際、たいした話しじゃないのかもしれないし、結局難病ものじゃね?と云われればそれまで。主役がスイッチしてくっていうのも都合がいいし、脇に回ったエピソードのときの恵美の、達観が過ぎる振る舞いや言動もチト鼻につくかもしれない。けれど、だけど友情だとか愛情だとか、大上段に構える手前、純粋に"友だち"っていいなと。大事だなって。友人のいないおれが、そんなこと、感情を失ったかにおもえたおれが、観ながらおもったのだから…。だから、だからこそ、吉高が二度繰り返す、「由香ちゃん(北浦愛)お見舞いしていい?」に魂射抜かれたとおもうのだ。

きみの友だち

(20日、ムービーオン シアター7にて)
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