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YUMENO ユメノ (2004)
2008 / 12 / 05 ( Fri )
ただひたすらに、荒涼…その決然とした美しさ。三年前に過ぎ去ったはずの風景。日本はじつのところ、ここまで来ている(いた)。というか、ようやっとこの映画が現実味を帯びてゆく…安易に蟹工蟹工と云う前に、この映画を観るべきだ。監督は"ピンク七福神"の鎌田義孝。もっと撮るべき人材なのだが…。脚本に井土紀州が加わっているが、単なる実録タッチの激安犯罪モノではない。風景映画。堂々たるロードムーヴィー。赤ずきん映画。最高。そして、量産されるだけの数多の日本映画にはない、すべて。

YUMENO ユメノ
未就業にある若く幼い男女が三人、行けども行けどもなんだか雪と泥と曇天しかない北海道南西部を道行く。中途半端に掘られているワタリガラスの墨を背負う若い男ヨシキ(小林且弥)は、高校球児だったがお定まりの転落をし、キャバ嬢(夏生ゆうな)に手をあげてしまいヤクザから恐喝される。女子高生ユメノ(菜葉菜)は父親(小木茂光)の仕事を嫌悪し、家出して不倫関係にある長井秀和の元へと向かう。公営住宅の"長屋"に父親(伊藤猛)と一緒に暮らす小学生リョウ(金井史更)は、普通の生活を営むのが夢。そんな三人の物語。

3年ぶりに再見して、このタイミングで上映されてしまうと…いいのかわるいのか、観ながら、『トウキョウソナタ』との近似…を、勝手にかんじてしまった。んまあ、実際そんなに似通っちゃいない。でもそのちがいって、北海道か東京か、壊れた家族が一個なのか二個なのか程度のちがいしかない(ふらついて迂回しながら最終的にひとつの家族に収斂する)。もっといえば平和のために志願兵になるのも、ユメノが父親の仕事(ミサイル部品を造る仕事)に嫌悪し家出するのも、なんだかあわせ鏡のようだし、浜辺の掘立小屋で毛布にくるまり一夜を過ごすのもそう。

最初に多少触れたが、本作品は地方の荒廃を本気で描いてしまった作品である。その土地にいる限り、なんらの希望はない(廃鉱を舞台にした映画はけっこうあるが、その土地を捨てないで希望を見出す展開の映画は基本的に信用がならない。その代表が『フラガール』)。とまあ、ようやっと時代が作品に追いついたと云っても過言ではない。あーあと、長井秀和はその後、異国でリアル買春して騒ぎになったわけだしさ…。

未成年の、無軌道さとか、そんなんは別にどうでもよいといったら語弊があるか…ともかく、ひとの営為なんざちっぽけに見える、鍋島淳裕が切りとったそのあまりに完璧な風景に、ただ見惚れるばかり…巨大な2番スクリーンに、ぜんぜん負けてない(劇場側の音響設定も絶妙)。劇中ユメノは二度絶叫する。一度目と二度目は意味がちがう。二度目は逃げるのをやめたのだ。育ったこの土地を捨てるのだ。リョウの問いに答えるようでいて、だが自らにいい聞かせるようなユメノの最後の台詞。なんとなく宮崎駿にも聞かせてやりたいきがした。

YUMENO ユメノ

(4日、ムービーオン シアター2にて)
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