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フロスト×ニクソン (2008)
2009 / 06 / 06 ( Sat )
一連の、今年度の米アカデミー作品賞ノミネート群のなかでは、現時点ベストかなーと。別段、そういう賞獲りがおもしろくて関心あるわけではないけど。『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』はブラピの変容ぶりはおもしろいが話しそのものは地味だったし、『ミルク』は地味めな監督が奮起したのは買えるしわるくはないが響かなかった。『スラムドッグ$ミリオネア』は事前の興味を本編がただの一瞬も上回らなかった時点で駄作としか見なせない。そこで本作ですよ!ふつうに乗せられて、おもしろがってるおれがいる。さすがま、ロン・ハワードだなーって。まあ、『愛を読むひと』は未見だけど…文芸じゃなあ。裸は見たいけど…。

フロスト×ニクソン
その昔、アメリカにニクソン(演じるはフランク・ランジェラ)という大統領がいたそうです。世界史・現代史がちょうヘイトで苦手なおれには、その名前すら初耳だったわけですが。そんな彼氏、前政権からの負の遺産であるベトナム戦争で延々米国民を苦しめさせまくって、所謂"ウォーターゲート事件"によって任期中に辞任しちゃったんだそうです。以後口をつぐむニクソンだったんだけど、英国の有名TV司会者であるデビット・フロスト(マイケル・シーン。)との独占インタビューが成立、その顛末つか丁々発止が山場となる映画。数日間にわたるインタビュー収録の流れは、もうなんつうかボクシング?それも詩の?みたいな距離の詰め合いやせめぎ合い、精神戦チックなスリルに興奮する。

基本的にはフロスト視点で物語りは展開。このひと、基本的に売名だけのひとでそんなに志し高くないのね。…某テレ朝なんかの報道系番組で舌鋒揮ってるような三流ジャーナリストきどりどもみたいな、ポリティカルな主張を振りかざさないあたりはまあ好感持てる。でも多少落ち目でさ…有名司会者の座を死守せんと返り咲きの標的にしたのが、ダーティイメージが染みつきながらも一向にクチを閉したままの元大統領ニクソンなんだが、このニクソンも老獪でしたたかなクセモノ。だし、番組成立させるには三大ネットワークやスポンサー(惨敗だったインタビュー初日に反省会も出ずにWeedEater社!に出向く)に日参したり、調査員を雇ったりして、フロストはもうたいへん。同時期、旅客機内で見初めた彼女(レベッカ・ホール)の世話もあったりで…にっちもさっちもいかなくなるフロストを、我々は呆然と眺めている。努力って必要だよなって。

終始圧されっぱなしのフロスト、フライデーナイトなのにホテルの自部屋でひきこもる。そこへニクソンからの直電が入る。緊張しながらも、でも相当酔いがまわってたニクソンはぎゃあぎゃあとフロストにわめきたてる。内容的には、おれとお前はどっかしら似ている。けっきょく、一流やエリートからの賞賛が得たいがために孤軍奮闘しているだけの存在…日のあたる場所に行きたいと願っている哀れな存在なのだ…みたいな。マジでこんな話し、現実のふたりのやりとりであったのかしら!?と、ここは相当興奮する瞬間。ネタバレでもなんでもなく、ここのシーンは丸ごと嘘なんだってー。ドキュメンタリー的画作りで史実に即してるんだろうとおもいがちだし、TVで全世界に中継される悔根の念っていうのも、まあドラマチックだなって。けどそもそも本作、舞台劇がベースになってるんだってー。へーそうなんだ…それでも身震いするようなシーンだった。最終的にニクソンの、決定的な表情を捉えた歴史的TVインタビューが撮れましたぜ!みたいな話し。勝利に酔うフロストの姿、反して愕然とするニクソン、そこに短いが、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラブ」が被る。なにげなく格好よかった。

フロスト×ニクソン

(5日、フォーラム2にて)
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