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リリィ、はちみつ色の秘密 (2008)
2009 / 06 / 27 ( Sat )
林海象の映画観るよかマシだろっていう消極的理由で観たのだが、けっこう打ちのめされた。油断した。いっけんオンナノコ映画のふうでもあるじゃん?タコダ・ファニング(ダコたん)だし!ダコたん14歳だってお!てゆか、そんなんで反応するほどアレじゃないけど…でもきになんじゃん。…むろんひととして男として。それはたとえば、ダコたんもぷっくら丸みを帯びてんじゃねえの?とか、イッチョ前に異性への関心丸出しなんじゃあ?とか…だが、そんな容易い内容ではなかった!むしろ、そういうチャラいきもちで観にいったおれの心を見透かしたかのような風合いだった。云わば、あんたばかぁ?って云われてるようなさ…。

リリィ、はちみつ色の秘密
ダコたんの成長譚(韻踏み)かとおもいきや…まさかまさかのガールズトークもの、つーかけっこうヘヴィなリブもの、カラードものだった…!まあ簡単に筋をいうと、4歳児のダコたんが銃の暴発させて誤って母親を撃ち殺してしまうセンセーショナルな幕開けからはじまり、父親(ポール・ベタニー。クズ白人を熱演)からのかるいDV(なんだっけ…乾燥させたトウモロコシを床に蒔いてそのうえに膝つかせるというマニアックなお仕置き。それ見ながらベタニーはビール呷る)受けつつ、いろいろあった14歳の誕生日に子守の黒人(ジェニファー・ハドソン。あんま歌わない)と共に逃避行に出る。泣き母親の面影を追って、たどり着いたのはピンクの舘。黒人女性がつくる評判のはちみつのお味はどんな具合や…?というかんじ。ぜんぜんわからんでしょうが。

んまあ、要するに60年代の公民権運動のそういう頃の話しで(わかってない)、でも簡単に病院から抜け出たり、運命的にふたりは泊めてもらったり、みつばちと仲良くなっちゃったり、恋しちゃったり逮捕されちゃったり、親父から見つかっちゃったり、けっこう都合いいのな。そのへん正直アマアマなんだけど、だけどなんつうか…少女の成長、どころじゃない事態が頻発するわけよ。恋とかはいいよ。かわいらしいもんですよ(でも巣箱の、指フェラじみたテイスティングシーンは最高エロかった…!)。でも苛烈な人種問題が頻発するなかで、あのピンクいオウチは女たちの、マドンナたちの、ある意味秘密の花園で神の家なわけよ。上手い喩えがでないんでアレだけど、そんくらいあの家で行われてることは現実から乖離しててファンタジーが過ぎる。でもそこが見所であり、凄みだとおもった。

基本、女性はこの映画絶賛じゃね?おれも絶賛したいが、なんつうか恐怖をかんじたのだった。おそらく本質的に男性を拒絶しているかのよう。陰茎がすべてを台無しにするのよ!!きー!!みたいな事は云ってないけど、でもまあ本作の男性はやたら暴力的かクソフェミニンな優男なかんじで描かれており…居場所がなくなる。ソフィー・オコネドー演じるメイ・ボートライトがバナナを直立カットさせてサラダこさえているのは、そういう意図があろう。じっさい監督さんは女性で黒人のようだし(ジーナ・プリンス=バイスウッドというひと)、製作にウィル・スミスやジェイダ・ピンケット=スミスといったご夫婦も加わってて、役者陣もねクイーン・ラティファやアリシア・キーズなどが登場っていう、徹底して女性、それも黒人女性をクールに描かんとしている。そしてそれに成功している(反面白人男性がクズあつかいに)。

個人的にはソフィー・オコネドー演じるメイの、世間や現実との距離の保ち方や断ち切り方に共感に近いものを禁じえなかったし、あとまあベタニーのさ、夜中に収穫物(桃)をバットでカッ飛ばすことで破壊衝動やらナニナニ衝動やら、しらんけどそういうのを解消するしかないっていう鬱屈感もまた、おれ自身のうつしみを見るようで嫌なきぶんになった。主に黒人女優たちの自我爆発させてるアクティングに多少気おくれながらも、我らがダコたんもがんばってた!しょせんまだまだ子役に毛が生えたようなもんだけどな!けど…名状しがたいふしきなきもちにはさせてくれる作品ではあった。一見の価値はある。

リリィ、はちみつ色の秘密

(25日、フォーラム1にて)
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