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レスラー (2008)
2009 / 07 / 26 ( Sun )
観てておもうのは、この映画の主人公ってさ、おわってるステロイド馬鹿つうか、完璧負け犬でないですか。過去の栄華にすがって現実を顧みない、トレーラーハウス暮らしで実の娘からも厭われてる。マットに当たるスポットライトの影の、めちゃくちゃ濃いとこが延々とつづく。いつ、ああいうふうになるかもわからない。もう、なっているのかもしれない。片足嵌ってるのかもしれない。ついそこまで影が、忍び寄ってるのかもしれない。人生で輝いてる瞬間なんてあんのかよ。いやまじあったのかよ。問われているようで苦々しい。

レスラー
人気プロレスラーとして、かつての栄光にぶら下がりっぱなしで世紀越えしちゃった、ミッキー・ローク扮するランディの身も凍える人生後半戦。パート仕事で糊口しのいで、得体知れない増強剤や鎮痛剤等々に頼りながら、髪を染め日サロで身体を焦がし、週末、地域の公民館とか場末のマットでキッチリ筋書きのあるドラマを演じるランディ。そんな彼の一服の清涼剤はときたま遊びに来るガキらと自分の出てくるNESゲームで遊ぶことと(自己満足)、懐に余裕のあるときだけ近所のストリップ小屋でじぶんのオキニ(マリサ・トメイ。煮崩れた場末なかんじでステキ)に60ドル払って目の前で躍らせること(自己満足)。そんな彼、心臓に爆弾抱えてるもんで、ゴスい娘(エヴァン・レイチェル・ウッド。『ダイアナの選択』のあのビッチが、正論吐いてミッキーを罵りまくる!)との関係改善絡ませながら一応のところ引退するのであったが…。

これ、どう考えたって生き地獄ですよね。やり直し、きかないし、できないし。それでも無様な姿さらし続けることでしか、間尺あわせようがない。だいたい都合いいよね。心臓バイパス手術受けてどうしようもなくなったから、これまで蔑ろにしてきた娘と元通りになろうとか、スネに傷あるモン同士ってことで!って弱み見せて(こちらもドン詰まりの)ストリッパーに取り入ろうとする。この男女、だいたいおんなじような描かれ方してるんだけど(後姿のショットが多用)、女性のほうがさすがに生活かかってっし!っていうふうにつよい。やっぱ男はダメなのな。つよくなれず、本当おわってる。反省もしないし。

監督はダーレン・アロノフスキー。珍妙ぶりではその年他の追随を許さなかった『ファウンテン 永遠につづく愛』の反省からか、アロやん本作ではドキュメンタリーふうというか、極鬱作『レクイエム・フォー・ドリーム』のタッチ(からヒプホプモンタージュを除去して)でランディの、変化のない荒涼とした現実を描く。そのー…プロレスラーの内幕ものという側面もあるし、薬物/医療畑の描写も多少あるもんで、なんつうのか、切株系とはまたちがった、地に足の着いた残酷描写というか、現実に立脚した凄惨さが底に流れており、やはり先の『レクイエム~』なんかと通じるものがある。今回は見た目的にやばいのが丸分かりだったけど、観るとでもやっぱショックでかい。最後は暴走の果て、ブレーキのかけ方忘れた男の姿。感動なんかでなく、とてもさみしいだけ。

レスラー

(25日、フォーラム4にて)
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