FC2ブログ
サマーウォーズ (2009)
2009 / 08 / 02 ( Sun )
いっこいっこのパーツはすごくよく出来ている。見ごたえがある。けれど総体になったときに、細田守は、こいつの実力はこんなもんじゃねえだろうと、おもうしかなかった。おそらくオリジナルで勝負したかったんだろうけど、枷があったほうがよいようだし、なにより自身の過去の抽出でしかないという点に問題がある。誰に見せたかったのか、そのへんも疑問がのこる。

サマーウォーズ
信州は長野上田に代々つづく立派な家系があってさ、そこにアルバイト感覚で憧れの先輩女子に誘われるまま、小旅行にでかけちゃう男子高校生が主人公(声は神木隆之介きゅん)。彼と、彼を待ちかまえる90歳のおばあちゃんほかビッグファミリーのひと夏の体験物語、です。そこにOZナントカとかいう超巨大SNS(というかアーパネットとセカンドライフと楽天とミクシの合いの子)の暴走やら、谷村美月ちゃま演じるヒキでネトゲチャンプやら、ねじくれた愛情のせいで悪魔を産みだすものの、罪を憎んでひとを憎まず的な、もっと云えば47氏的なソフトウェア使われ方問題やらが加味され、ぼくらのウォーゲーム!(ないしは『サクラ大戦 花札 こいこい大戦』?)が始まっちゃうのであった―。

結論云っちゃうね。傑作『時をかける少女』での貯金がぜんぶ吐き出したような格好です。まあ序盤あたりはまだいいんよ。強引な導入も、10年ぶりに現れた妾の子どものダークさも、パニック収拾のつけかたも(なんで職業別に権限がガッチリ振られてんの?で、なんで陣内家はお役所勤めが多いの?縁故採用け?)、なんとか富司純子が好演したおばあちゃんのおかげで、おばあちゃんの存在感が物語の背骨になって切り盛りできてた。でも亡くなって以後がもうね。けっきょくさあ、先祖代々伝わる名家とか、現代日本のフィクサーらと裏で繋がりあるとか、数学のオリンピックがどうこうとか、東大出で米国留学とか、ネトゲのチャンプとか、選ばれし者じゃん。クソ萎えるしクソ醒めるっつうの。

先に云ったとおり、画的にも展開的にも新味はまったくない。貞本画はいいですよ。あんなオンナノコからチュウされたらおれだって体液流しちゃうよ。電脳空間もさ、自身がつくり上げたウォーゲーム!でかつ、スーパーフラット・モノグラムな風合いで、いつもどおりだなってだけで、別段いいですよ。でも展開すらも一緒なんだもん…。世界じゅうのひとらが手前のアカウントをコイコイ勝負に預けてアツくなったり、直後の格ゲの血気盛んさや決死さにしても、やっぱ冷静に『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』や『ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』のクライマックスをなぞらえてるとしかおもえない。とは云えだ…ラストの、葬式のハピネスぶり、あのチュウのくだりはたまらない。おもい返すだけで体液出そう。あれだけ観に、もういっかい行こうかな…。

サマーウォーズ

(フォーラム3にて)
映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<劔岳 点の記 (2008) | ホーム | いとしい人 (2007)>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://daliandisease.blog47.fc2.com/tb.php/2031-6632c759
| ホーム |