ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (2009)
2010 / 04 / 10 ( Sat ) とにかく既視感バリバリでハリウッド映画のサイコサスペンス/スリラーを目指そうとしているのは明白。だがどうやったって舞台も役者も北欧なので、そういう雰囲気がもたらす妙なテンポが心地よい。わるい映画ではない。フィンチャーがリメイク版撮るようだが、まんま『セブン』の殺人デパートの女子アップグレード版にしかならないような…。続編がどうとかは抜きにして、でもうっすらとしか本筋に掠らないタイトルは、どうなんだろうなあ。『釣りバカ日誌』のタイトルが『鈴木建設』じゃあ問題だろ?
雑誌記者で裁判に負けて懲役受ける前でヒマしてる男と、調査員仕事やってる凄腕ハッカーなれど素行がわるくて保護観察下にある貧乳ゴスっことが、かつて失踪した大財閥の令嬢の行方を追うという筋。大富豪はだいたい性的倒錯者でひとの命を軽んじてナンボの殺人鬼ですからね。そういう意味ではトマス・ハリスあたりのありがちなサイコものに近接してしまう。まあ、それはそれで仕方ないのかなあ。じっさい聖書ネタとか繰り出されててウンザリするし、事件を40年放置してた依頼主のノンビリさや、主人公達が島と本土との間を頻繁に出入りを繰り返しているために設定上の妙味が薄らいでいたりと中途半端なところもある。けれど飽きさせずに見せきるからエライ(残念なのは、せっかく材木積んだトレーラー走ってるのにそれを活かしていない点)。あとこのクソ生意気そうなヒロインが段々かわいらしくみえてくる前段として、これまた性的倒錯者の後見人の菊門にディルド捻じ込んでどてっ腹に墨入れる素敵シーンがあるのだが、こういう勇猛さがいまの邦画界に決定的に欠けているとおもった。
(フォーラム1) |
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