スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | page top↑
ペルシャ猫を誰も知らない (2009)
2010 / 11 / 20 ( Sat )
なんつうかホンワカしながら、でもハッとさせられつつ、最後はショボーンとなってしまう。構成的には、才能あふれるバンドマンの若いカップルと彼らを見守る映画監督くずれのオッサンとが、国外で自由に音楽やりたい!みたいな彼らの直感的発想に夢見出してパスポートやビザの違法取得、出国前のラストライブやデモ音源作成のために人づてにメンバー募集、それと金策…に奔走していく。そんな青春映画なのだが、テヘランの地下音楽シーンを包括的に追うガイド映画みたいな側面も有した一筋縄でいかない内容。ユーモラスに描かれるが、許可なく演奏も出来ないという、音楽をやることそれ自体が反体制行為であるという社会…逮捕投獄も辞さない覚悟でないとやってられないまさしく"反抗"っていう国家での笑えない悲劇でもある。

ペルシャ猫を誰も知らない
音楽性からいうと(大雑把に)SPANK HAPPYとかShe & HimとかStereolabみたいな、つんのめったガールポップみたいなバンドをやってるインディ・ロック好きのネガルとアシュカン。テヘランでは音楽やるのもなにするのも許可制で、まあようするに自由ってやつがない。練習してるだけで通報受けて投獄とか日常茶飯事。なのでアルバムも出しようがないしライブも無理…そんな状況に嫌気さしてふたりはロンドンに渡ってギグするつもりでいる。そんな折、失業中の映画監督で海賊版コピー業者のナデルってオッサンがふたりのデモ聴いて、エージェントっつーかプロモーターつうか、断固支援を決意。金策しつつ彼女らにふさわしいバンドメンバー、最後の地元演奏の機会、そして夢のテヘラン出国を目論んでいくのだったが…。

筋立てはだいたいそんなもの。なんでそこまで音楽やるのが困難なのか、なぜこの国を離れなければならないのか。それが徐々に説明されていく。同時に構成が一瞬プロモーションビデオっぽく切り替わり、苦境にあってもポストロック風インストバンドやヒプホプ、アラビックな雰囲気醸すメタル等々こんなにも芳醇な地下シーンが存在してるんだぜ?っていうガイドマップ風のつくりに(まあ質高いが、現行の欧米シーンの影響モロに受けている)。練習場所にも事欠いてクソの臭い立ち込める牛小屋で肝炎の危険がありながらテヘランのメタラーはがんばっている。ビル建設現場の鉄骨むき出しの場所でヒプホプのひとがPV撮ったりしている。

そんなにも努力しながら、ひとに迷惑かけず、決まりを守ってわるいことなんか「NME」回し読みする程度。もちろん歌詞に現状の政情批判なんてテーマ盛り込みもしないのに、投獄されるやら罰金やら鞭打ちやらが待ち構えている。違法行為に手を染めてまで異国にのりこんで演奏しよう!それもメンボしながら!ってかんがえると今年観た『オーケストラ!』にちかいネタ。どっちも自由がない点も共通。けれど本作は最後までメンバー探しして練習するシーンなんか一瞬だし、もっと云えば渡航にも成功しない。若者がギターやドラムでけいおん!することそれ自体が迫害の対象になってしまう…となると、『オーケストラ!』じゃなくどっちかといえばハードコアな『青春デンデケデケデケ』(で、ラストはイーブンキックにころされるという点で『エンター・ザ・ボイド』っぽい)。彼女のわるい予感は的中し、無事渡航して彼女と一緒に音楽やる夢も、アイスランドでシガーロスを見る夢も潰える。しっかしイスラム圏昨今の作品やっべーな。最近観た『彼女が消えた浜辺』もサラッとした印象なのに内実がクソ重たかったし…。ブルカ萌えのおれとしては今後も継続して注視したい。

ペルシャ猫を誰も知らない

(16日、フォーラム2にて)
映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<裁判長!ここは懲役4年でどうすか (2010) | ホーム | But we are just looking for a shortcut.>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://daliandisease.blog47.fc2.com/tb.php/2398-a03d29e0
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。