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ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 (2008)
2011 / 02 / 12 ( Sat )
ニューヨーク現代美術シーンのリビング・レジェンド・コレクターであるヴォーゲル夫妻の、青田買い感覚で現代アート捕獲に躍起になって過ごした半生を、慎ましく愛らしく丁寧な筆致で追う佳作ドキュメンタリー。育ちのせいもあってさほど学はないようだが、アートに、とくにミニマム/コンセプチュアルアートに関心を寄せる夫妻がNYにおりまして…。冒頭、どっかの個展にて飾られている作品をみながら、旦那でなく奥さん(なんかすごくキュート)が目を輝かす。奥さんのほうが芸術志向強いのかとおもったら、その後すぐわかるんだけど旦那のほうがすげーのな。「きれい」、「すばらしい」を連発しながら旦那はギロリ、奥さんは素直にキャーキャー反応。そんなふたりと、親交のある芸術家らと、所有するけったいなアートとを交互に。監督は佐々木芽生って日本人女性。

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
ヴォーゲル夫妻がお友だち単価っつーか安い値段で買い叩くのを批判する意見(画廊のひと)等も多少混入されるが、おそらくそういう暗部や負性といった、おれとかゲスな人間がいちばん関心寄せたくなる部分はごくごく表層のみで抑えてある。作品の主張としては、このふたりは低所得なのに夫唱婦随で、がんばって一途に作家追いかけて、なけなしのカネはたいて作品あつめているんだからマジえらい!ってトコ。これは最後までぶれない。夫妻について語る多くのアーティストは、まあ、むかしカネのない頃購入してくれたおかげで生活のタシにもなったし、業界のマスコットですわね~的あたたかい視線を送るのみ。まーしゃーねーかなーあのふたりだからさー…って、妙に特権的な位置にいる。

そう、けっして悪し様には云わない(劇中の人びとは誰も彼も)。ねちっこくしつこくても一定の審美眼のあるふたりだし、業界の有名人だし著名だし、小額であったとしても彼らはパトロンだし、一切転売するでもないし…。夫妻は真剣にアートに接している。とくにハーブの目付きはただの美術鑑賞愛好家のそれではなく、ウィリアム・ ブレイクの画を旨そうに一気に喰らったダラハイドにちかい…というかむしろ見た目はアンソニーホプキンスを圧縮したような風貌だが…そんなうっすらとした狂気をかんじる。

そもそも彼らは当初はアーティスト志望のワナビーで、けっきょくになれずに脇で見ているだけでは飽きたらなくなって、止むに止まれず買いあつめていったふう。マトモな作品は高額すぎて買えるわけないので、ほとんど売り物にならないデッサンやらゴミみたいなブツを直売してもらって嬉々として買い漁る。もちろんなんでもいいのではない。その作家の作風の変遷をじっくり隈なく追うのも彼らの特長だそうで、尋常でなく関心を寄せ、作家に寄り添う。だから…まあ作家も嫌えないよね。どこかじぶんらと彼らアーティストとは、おなじなんだろう、そうおもっているのでは。じぶんらの出来なかった夢を託しながら、想いそのものも共有しようとしている。結果ブツがほしくなる(おそらく作品やラインナップの変化にじぶんらのちからが関与したように錯覚しているのでは)。借金したり生活圏をおびやかしたり、あとはまあ前述のとおり敵もいそうな無頼で野放図な買い集め方など、観ていて微笑ましさとともに一種の(これも前述のとおり)異常さが漂う、妙な、でもおしゃれで上品なドキュメンタリーでした。

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人

(4日、フォーラム1)
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