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コクリコ坂から (2011)
2011 / 07 / 24 ( Sun )
しっかりつくられているとおもうし、そんなにわるくもない。わるくもない?よくもない。ある時代のことを一生懸命わからないなりに勉強して、真面目につくった、ただそれだけ。95分間飽かさず観させてくれたが、でもあまりに体感時間長い。だいたい、「前作の『ゲド』よりよかった」なんていう言説はまったく褒めてないだろうし、舞台を現代日本に置き換えて、真っ向から青春と恋愛に取り組んですらこうなのかよ?って。いまだ巨大な抑圧のなかにいるんだとしかおもえないし、ジブリから出ないかぎり(親父が死なないかぎり)ずっとこうなんじゃないかなーなどともおもった。以下ネタバレしてます。

東京オリンピックを翌年に控えた横浜を舞台に、どこからみても非の打ち様のない高校生の善男善女が、清流のような出会いをし、運命のイタズラに瞬間だけ翻弄されて、あとは(表面上は健全で、やや深刻そうだが)基本ウフフキャハハしてるだけのお話し。そこに部室棟取り壊し阻止といった高校生による反体制運動(もどき)が大状況として同時進行する。ヒロインのメル(長澤会長)は、ジブリヒロイン史上もっともお嫁さんにしたいナンバーワン!の出来たお嬢さんで、この完璧さが脆くも崩れ去る瞬間があればな~と。とにかく作中9割くらいのボリュームでこの出来たお嬢さんが家事(炊事)をがんばってやっているトコに割かれる。それはそれでいいんですけど、でもそれだけなんですよ。

かろうじてこのヒロインはともかく、あと一人をのぞき、全キャラクターに内面をかんじない。喋っている中身もつたわらない。まあ討論会やカルチェ内のモブシーンはともかく、なんか作画的な粘りもないし、誰が誰でも、もうどうでもよくなってくる。加えて、舞台となっている六〇年代の横浜、進取の風が吹きはじめた(おそらく名門)私立高校に、なんの魅力もかんじない。じぶんたちの存在をかけて取り壊しを阻止した部室棟、この建物に「いってみたい」「過ごしてみたい」などといった魅力を封じ込めようとした痕跡があるが、まるで功奏していない(あんなの魔窟じゃないよ)。生徒会自治の本丸っていう古めかしい建物のはずなのに、生徒が棲みついている形跡ないし、鬱屈として酒のんだりしている得体の知れないアヤシイ輩もいそうにない。だいたい、主人公のふたり、午後六時くらいにささーっと自宅に帰っちゃうんだもの。なんなのって。

主人公ふたりの恋路を乱すのは偶然知ったそのルーツ。朝鮮戦争が複雑に絡んできて(複雑?)、ふたりの父親とその親友が登場。いいんですよ父親(的)な登場人物が三人いても三〇人いても。風吹ジュンすげーなーって、だけだから。だけど誰がどの血筋で、とか、誰がなにについて発言してるのか、おれにはよくそのちがいがわからなかった。ヒロインちゃん以外で唯一よかったのは徳丸理事長ね!香川照之の声は別ね!…押井守が本作を評して、「敏ちゃん(=鈴木敏夫)の自伝的ファンタジー映画だよ」と云ったとかなんとか(このあたり参照。原典の「TV Bros.」は未読)。

なるほど高校生時代ガリ版切って活動もどきをして、徳間書店入社して「アサヒ芸能」編集部でそのキャリア開始して…そういう見方も出来る。体制側におもねって理事長を「閣下」と呼ばせてたり、取り壊し撤回させて好人物として描くことで、鈴木はある意味これまでの恩を返した格好になろう。徳間康快社長、これまで無理云ってアニメつくらせてくれてありがとう!…みたいな。それをガチで左な駿の作品ではなく息子ので恩義を表した点に意味がある。作中の反体制運動になんの意義も魅力もかんじさせないあたり(ふつうちょっとはワクワク感あるだろ)、恐ろしいほど吾朗がノンポリであることの証左だし、なにより取り壊し阻止の実質的契機となったのがヒロインメルの、「お掃除しましょ☆」てな鶴の一声程度のかるいひと言である点でも、吾朗はイエスマンで鈴木にも頭あがんないんだなーって。

コクリコ坂から

(23日、ソラリス2にて)
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