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メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
2006 / 07 / 07 ( Fri )
タイトルに違わず、三度埋葬されます。そして、その原因が、郊外以上になにもないアメリカのド田舎の神秘というか、起こるべくして起こった(半分ミステリーのような)ひとの性(さが)のため。

まず、田舎だから楽しみといえばヤルことだけ。セックスしかない。
で、自由の国アメリカだから、完ぺき銃社会なわけ。いきなり応戦したり。
くわえてだ。大自然での自慰がキモチ良すぎるのが問題。イントゥ・ザ・ネイチャー!

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こういう、よくわかるような、でもなんかわからないような(冒頭のハンター二人組でミスリードしちまった!)、いかんともし難い理由でメルキアデスは三度も埋葬されるんだろうな…とおもってました。
とくに前半は。

(かなり落ち着きなく時間を前後させた切り返しが多用される。けっこうトリッキー。監督であっても60歳のトミー・リーにちゃんと把握できてる編集構成なのかと、一瞬不安に)

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国境警備隊のバリー・ペッパーが、昼メロみながら晩飯つくってる嫁(ジャニュアリー・ジョーンズ。軽薄そうなかんじがグッとくる)をいきなりバックで挿入するあたり、本気で瞬間の快楽のみを得ようとする浅はかさ全開で、「味わってんな~(瞬間を)」っていうしか形容しようのない白目剥いたすごい演技をみせてくれる。コレは見所。

かように、見所は結構ある。

大自然まるかじりでオナニーするために(ネタは『HUSTLER』)、またもやバリー・ペッパーが活躍したり(直後、とても悲しい出来事が)…。

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後半は、やたら執拗にトミー・リーとバリー・ペッパーと、メルキアデス(死体のプロップ)らが、さもジュンレイするかの如くネメシスだかヒメネスだかいうメルキアデスの故郷へと向かう様が描かれる。

これが異様に長い!いつまでたってもメキシコに辿り着かないかのようだ。着かな過ぎ!

とはいえ、まったく飽きない。

死体運びという特異なシチュエーションを存分に活かした半分ギャグのようなシーンや、因果応報的シーン(バリーの足が壊疽して切断されないのは監督の優しさ?)などなど…面白めじろ押し。

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ひとついえるのは、後半、そういう、どうしようもない(だから、どうしようもなく、生きている)ひとたちが、いよいよてんで違った方角へそれぞれが向かいはじめるあたりから、この映画の渋みが突如染み出し始める。

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若奥様は、「やってられっか」とバスに乗り、田舎去る。本当、やってられるか。

トミー・リーもメキシカンの一瞬オサレと勘違う一杯飲み屋で、本気でいたたまれないキモチになっちゃって、地元の馴染みのオンナ(こういう存在が…田舎なんだろうな。このオンナの身体や二の腕も見所)におもわず電話、アタマアルコールでいかれたまま求婚するものの、「オメーは只のセフレなんだよ!!」と云われ轟沈。

当たり前。オンナ、ため息。そりゃそうだ。

ふらつく足取りでそのままトミー・リーは腐敗が進んでいよいよ面白くなっちゃったメルキアデス(プロップ)に向かってトーク…うわ、おもいだしただけで、な、なけてきた。

バリー・ペッパーも「おもえば遠くへ来たもんだ(距離の問題にあらず)」的想いについぞ至ってしまって、自我崩壊するかのようなシーンがあって、や、ここも個人的にかなりやばかった。

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クライマックスに至っては、ひとの悲しみの果てにある、さいはてにある、神話じみた感興におちいり、ただただ、余韻のみがこころの奥深くにのこる。

(フォーラム2にて)
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