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日本沈没
2006 / 07 / 17 ( Mon )
意外にも、といってはナンだが、予想外にちゃーんと巧いこと沈没させていた。

樋口監督はたぶん、フジ(=亀山某という勘違い)よりTBSのほうが水が合っている。
庵野秀明の『CUTIE HONEY キューティーハニー』勢がキャスト・スタッフ含め大挙して参加してたが…製作がトワーニでなくてよかったね(つか、解散してるし日テレだし…)。

chinbotsu0.jpg
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オリジナル知らない世代だし、ツタヤ行っても置いてないし、比較の対象としてはここ数年で公開された内外のディザスター物となるんだけど、本作、これがまー天晴れなデストロイぶり。
イイトシして破壊衝動が薄れない、なんらか未成熟なおれみたいなひとには眼福でしたよ。

すくなくとも樋口が特技監督やらコンテやらイメージボードやらで噛んだ作品は一通り追っかけてるが、破壊の絶対量とともにある種の洗練が加わってこれまでより数段うえのステージで素晴らしい成果が挙がっていた。

海外の作品(ハリウッド)に負けてない。

けれど、欲を云えばヒキで大状況を切り取るより、建造物の構造それ自体圧壊する様や、ぶっちゃけ人体破壊描写などディテールがもう少しみたかった(なにやら、『ドラゴンヘッド』的でしたよね。クルーも近しいし、製作母体の関係もあるからイロイロノウハウの蓄積はあったかもしれない)。

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そもそも、こういう映画なのだから、人間模様というかドラマには期待していなかった。
鑑賞前は金子修介あたりをあえて“第2班監督(当然ドラマパートやモブ撮らす)”として雇ったらいいのに!とか勝手に考えてた(嫌味で)。

だがしかし!そこでもいい意味で樋口は期待以上の人間模様を醸し出すことに成功していた。
ベタ過ぎた前作『ローレライ』よか、距離がおかれている。群像劇なんだからそれは当然。

そりゃあ、まあ、あえて難を云えば、そりゃキリがないよ?いいの?

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まあたとえば、ヒーローとヒロインと目される主人公たちが、一向にその役目を果たさないあたりや(オープニングやクライマックスで示されても早すぎだし遅いし)、あんだけ関係希薄なままに、このふたりの惚れた腫れたが成立するのも不自然。

(テントのなかで何もしないのは海外ではウケないとおもう。バカかと。EDかと)

あと、國村隼やサトエリとかさ。フリだけ立派だけど回収できてない。富士山麓の観測所も丸ごとなくてOKだろうし、N2爆雷(だっけ…。もうどうでもいい)を挿入し連鎖起爆させる苦労とかフツウもちっと押さえるんじゃないの?

そんなのも描かずにSMAPのひとの道行きを描く…。だいたいこのひと全然英雄的でないよ?
浅草行って柴咲コウにコクって自爆して、んで実家の酒蔵行ったり疎開先行ったりトヨエツんとこ行ったりと逡巡。やたらフットワーク軽し。
大惨事情況になったらそんなふうに移動できないから!そう、どんどん焦点がぼやける。

最大の問題は、危機管理担当大臣の大地真央のそばに補佐官役だかで、折角エンケンが始終ベッタリなのにかかわらず、大地を身を挺して守るとか、大地を誘惑するとかいう湿度のあるカラミがまったくないのに憤りを感じる。やっぱコイツ、わかってないよ!

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結局、登場人物の演出問題に陥る。

おれの拙い鑑賞経験からいくと、ミミ・レダーの『ディープ・インパクト』がある種ディザスター物の分水嶺になるのだが(わりと、品がいい作品ですよ?)、本作は画的な満足ではいい勝負か、勝っている。
だが、人物の描写はというと…うーん。や、ごめん。忘れた。

deepimpact.jpg

(もう、8年も前の映画なのかよ…。いろいろ身の振り方を考えてしまいそうだ)

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おれ、『ディープ・インパクト』は当時付き合ってもいないオンナノコちゃんと一緒観に行って、帰りに晩飯一緒喰って、なにもせずにそのまま帰したんですね。
後日、その子からそのときのデートにある種の不満、それも性的不満を、わたしは抱えながら帰宅したのよ!ヘイチュー!このヘタレチキンのED野郎め!(←軽く誇張あり)と告げられて以来、トラウマ的に触れたくない映画だから、この比較はまあイイや。

***

デートムービーとしては最高じゃない?老いも若きも泣いてましたよ。

客も大入りだったし、樋口はこの財布の口の固いご時世にあって、「大作仕事専門作家」という存在じたい稀有で得がたいジャンル監督の座を手にした。そのことは、なにもわるいことではない。

当時、大破壊無差別殺戮映画を一緒に観た子と今回一緒だったら(いまなら)帰さないけどね。

(シネマ旭にて)
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