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ユナイテッド93
2006 / 08 / 20 ( Sun )
まさに、「再現ドラマ」とでも云いましょうか。んで、これがホメ言葉かどうかはまた別の話。
予告編で「ボーン・スプレマシーの名匠」だか云われてたポール・グリーングラスによるメガホンだが、この「名匠」の語り口がウザいんだよね。

united93
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『ボーン・アイデンティティ』は結構スキだった(監督はダグ・リーマン『GO』とか)。
けどその続編、名匠の手による『~スプレマシー』には個人的にはゲンナリしたクチ。
アクションシーンであっても異常なほど淡々とカット重ねるんだが、勘違いしてる切り刻みかたと積み重なり具合(日常的シーンでもまったく同じような語り口なんだから堪んねえよ)。
そしてそのカットすべて、揺れまくって焦点の飛んだキャメラで捉えている。

じゃあ、その結果どうなるのかというと、淡々と粛々とした語り口でありながら、映像は落ち着きの無い(劇伴も控えめ)というきわめてヘンテコな事態を目の当たりにして、いつの間にやら観ているうちに寝てました(じつは『ハウルの動く城』もまったく同様の理由で寝たんだよな…)。

揺れまくったキャメラと切り刻んだカットこそが先鋭的表現である、などと履き違えた連中は他にも巨匠スティーヴン・ソダーバーグや巨匠トニー・スコットなどいるが、グリーングラスは輪をかけて性質が悪い。
そういう映像を追求することで、本気で作劇上のリアリズムが得られるとおもいこんでいる点が。

で、監督本人かなり生真面目な性格なんだろう。
題材やタッチが重すぎて映像がシャレにならない…ああ、『~スプレマシー』の感想のはずが、いつの間にか本作の感想にまで云い及んじゃってる。

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ということで話し戻すと、WTCに2機突っこんでも意外と淡々。で、例のの映像表現のまま。
すーごく疲れてたら寝ちゃうかも、というかんじ。

(2機目が突っこんだシーンに報道フッテージを用いるのは無難でスマートなんだけど、あえて本作のVFX担当のダブル・ネガティヴに無理やりつくらせる、などという無茶があればもっと眠気もなくなるだろうに…)

そして、一向にハイジャッカー(要はテロリストですが)達が蜂起しないのにイライラ。
なんだろうねこのタメは…と作品の尺のこと考え始めるあたり、ようやっと93便も騒がしくなる。

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さすがに、ここからは息詰まる。胸が苦しくなってくる。そしてドキュメンタリー・タッチが瓦解して、みごと妄想の中の9.11が開始される。
なんせ、全員死ぬことが運命付けられているお話ですからね。ハリウッド的結末とは裏腹なわけ。

いくらリサーチ重ねようと、何回も云うけど乗客全員死んでるわけだから。大嘘もいいトコよ。
で、そもそも企画そのものが虚実のスキをついた旬もの、ハッタリものなので、この嘘に加担しているという気まずさも観客についてまわり始める。

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かえすがえすも、キワモノ映画だ。そういう映画は本来嫌いじゃない。でも、映像の語り口がね。
ガス・ヴァン・サントの諸作の撮影と編集を登用していたら…たいした作品になったのでは?

終局、感情に訴える劇伴とともに操縦桿の取り合いという珍騒動の果てに、ストリングスの音色がポンと響いてあっけなく終わってしまう。
後味は最高に悪い。繰り返すが、そのユナイテッド93便という嘘に我々も同乗しているからだ。

(なぜか)キッズ・アー…とつぶやいてみる。

(フォーラム4にて)
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