日本以外全部沈没
2006 / 12 / 10 ( Sun ) *** 大ヒットしたリメイク映画『日本沈没』の、完璧な便乗企画(だって配給のトルネードフィルム/叶井俊太郎が云ってんだもん)。 で、その尻馬に乗る勢いは、作中にもガッチリ活かされている。なんせダレなく進む。 無駄が何一つない。 くわえて、昨今の日本を取り巻く地政学的問題を茶化しながらキッチリ盛り込んでいる。 で、しまいに泣かせるんだもん。いつから河崎実、こんなにも巨匠になったのか。 正味なハナシ、『日本沈没』よりおもしろくて、やがて泣けた。監修は実相寺昭雄だし…(ただ涙)。 だいたい、エンドロールに破李拳竜や一本木蛮や佛田洋の名前が出てくるなんて! …そう、魂こもった見事な特撮は特撮研究所の手によるもの。ジスイズ昭和!元ろーでぃすとには、最高のごちそう! *** それは、ともかく。 筒井康隆が公式HPのインタビューで、 「僕は、あらゆる意味でこの映画『日本以外全部沈没』がこのリメイク大作『日本沈没』のアンチ・テーゼになればいい、と思っています。」 この声には耳を傾けるべきだろう(ちなみに小松左京による本作への寄稿文も必読!)。 『パプリカ』未見だが、筒井リヴァイヴァルといっても過言でない今年の瀬に、こんな奇妙な風合いの、でも紛う事なき筒井作品に出会えて、うれしい。 (9日、ミューズ1にて) |
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