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ありがとう (2006)
2006 / 12 / 23 ( Sat )
万田邦敏で『ありがとう』という新作が準備されていると知ったとき、「へぇ。リメイクするんだ」…とおもった。素直に山本直樹のほうの『ありがとう』だろうと。万田がやるなら相当おもしろそうだと。

で、程なく予告編かかってびっくりした。パ、パニックムービー!?

ありがとう

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主人公は、神戸でちいさなカメラ屋を営む中年男性(実話を基にしている)。

阪神淡路大震災を縦軸に、自らも被災し、だが消防団として人命救助に当たる序盤、壊滅的打撃受けた商店街の復興にちから注ぐ中盤、そして終盤は、あろうことかプロゴルファーを目指そうと奮闘するさまを追う。

大まかに分けて、市井の普通の中年男性(演ずるは赤井英和)の遭遇するえらいこっちゃ(大地震、土地区画整理反対派、プロテスト)を、えいやっ!と、「ありがとう」の精神で乗り切るという、ディザスター・スポ根・ヒューマン・ムービーという、あたらしすぎる日本映画の地平を切り拓いた快作。

ともかく、まったくダレない。

そりゃそうだ!こんだけ要素詰まって、出演陣も異様に豪華だし(“賛同出演”という形で結構豪華。『UNloved』絡みか仲村トオルなども。しかし、赤井と光石研尾美としのりの商店街三人衆の収まる画の格好良いこと!)、だがなにせ凄いのが大震災の行状を描いたVFX。

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今回観た理由は仙頭武則がプロデューサーであるのと同時に、特撮監督を兼任しているから。

仙頭といえば、ある種ここ10年くらいの日本映画界を陰で支えたお人だが、なんで特撮監督!?
だがこの大破壊のシーン、不謹慎ながら報道で見たあの震災のさまざまな映像を見事、再現。
非常に、見応えがある(正直『日本沈没』より、感じ入るものがあった)。もっと現実は悲惨だろうが、大衆娯楽としてギリギリ手前で描写は抑えている。

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じゃあ中盤以降おもしろくないのか?といえば、チャンとおもしろい。

たとえば、焼け残った自家用車のトランクの中からゴルフバッグを発見する様や、いま流行りのタウンミーティングの最中の赤井の切れ具合や、仮設住宅で家族4人(奥さん役は田中好子)でメシ喰ってるときの諍いのシーンなど非常にスリリング。

とくに、赤井と田中の程よい緊張をはらんだ会話の応酬はドキドキする。
このあたり、万田邦敏さすがに巧いなー…と。

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終盤、プロテスト最終日18番ホール、クライマックス。

これは久々になんだかとても強引な、圧倒的な映像を突きつけられて、体温上がった。
それまでの、すべての物語が一瞬にしてワンカットで収束する。
こういう日本映画は久々だし、そして繰り返すが、大震災と自治会政治とゴルフのプロテストを、感謝の言葉「ありがとう」でくるんでみせた万田の手腕にため息。

(22日、ソラリス6)
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