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アワーミュージック
2006 / 02 / 25 ( Sat )
はじめの10分は、「地獄」。
記録映像や劇映画の戦争・破壊・虐殺の様をコラージュ。
小気味良くズタズタになってオーディオヴィジュアルに目を見張る。

次、「煉獄」。
そこは、あとでも先でもない。街も人も皆歴史の流れから寸断されて、
宙吊りにされて、焦れて、ときに人に話を聞き、話しかけられ、ときに無関心を装う。
かつてその街や人物が背負っていた過去について、登場人物らは淀みなく、観念的な物云いで語る。
が、最後まで云いきることはない。話しに終わりなどないし、そもそも、その前にスプライサーかIN点/OUT点の悪戯でブッた切られる。
ゆるゆるとキャメラは横移動を短い間隔で繰り返し、音響も呼応する。
まるで信号が変わるように明滅するようにあっさり消え、また流れる。
雄弁だがしかし、煉獄は我々の現実がそうであるように絵空事めく温度の低さである。

最後の10分、「天国」。
緑と木陰、せせらぎと陽光。こんなかたちで、天国が示され、安心した。
なにも、誰もみな語らず、腰を下ろす。

時間の配分は現実と同じで、煉獄の中にいるほうがよほど長い。
永遠に続く。

べつに政治的問題意識の狭間で当惑するのも分かるが、だがたとえば、
町工場の昼時の社食の雰囲気や、スーパーマーケットのストックヤードで交わされるやりとり、夜勤仕事の休憩時間でたちこめるタバコの煙などなど、もっと簡単に云えば中学校や高校、そこいらの家庭だって、

いま、まさに、煉獄のなかだろう。只中に、我々はいる。

(フォーラム2にて)
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