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美しき野獣
2006 / 03 / 11 ( Sat )
もうこんなこと何度も書きたくないんですが、仕方がないんで書きますよ。

なんでこういう映画が日本でつくられないの?おかしいよ。
巨悪に挑むアウトロー刑事とエリート検事のバディムービー…あれ?ないのかなあ
(踊るナントカって去年ありましたけど…悪いが観てないんで)。
***

題材が古い?客が入らない?馬鹿云え。そんなことはないだろう!客席は妙齢の女性で一杯だった。男一人で入るのに躊躇したコヤになってたよ。韓流ブームで女性客がこういう映画に押し寄せる。クォン・サンウ目当てでね(ユ・ジテ目当てはあんまり居らんだろ。そっちのほうが分かってる人のようなきもするが)。
で、ぶっちゃけどう思うんだろうね?ちょっと半端ない暴力描写ばかりですよ。あまりにも救いのない展開ですよ(『甘い人生』も『マルチュク青春通り』もね…。女性客でそれらも中々の入りでしたが)。

で、映画の出来は極上、とまでは云わないが、男が背中丸めて観るのに充分すぎるくらいの暴力と悲しみが満ち満ちたてんこ盛り満足な一本だったよ。東映セントラルフィルムな空気が充満。

***

クォン・サンウは判で押したようなアウトロー刑事で、ユ・ジテは仕事に没頭するあまり家庭を顧みない、これまた類型的な正義の検事。対する暗黒街の顔役は、組み潰しやらショッピングモール利権やら慈善事業やら政界進出やら…とこれも、まあ、昔ながら見慣れた悪の姿。
でも、いいじゃねえか。分かりやすくて。
クォン・サンウは動きまくる。こんなアクション出来る若い俳優、日本映画界に期待してもダメか…。

拳で訴えようとする刑事と、証拠固めして正攻法で追いつめたい検事。
目的地は同じだが折り合いは当然つかない。
待ち受ける道のりは障害物だらけ。協力者が殺されたり、なんだかんだとドン詰まり、まさに「談判破裂して暴力の出る幕」となるのだが(あ、音楽は川井憲次です。いつもの川井節)、待ってましたとばかりの悲壮な、いや壮絶なクライマックス、そして沈痛な想い残すラストシーン。

***

自棄的な刑事、母親の看病をしてくれる健気な女に惚れる。
が、母親も介護むなしく死んでしまう。棺桶が焼かれる。
見守る刑事は顔をクシャクシャにして号泣し親指を突き上げ「ファイト!」傍らで女、泣き崩れる。
ああ、悲しい。無性に、いまでもシーン想いだすと泣ける。
馬鹿な目にあった人から先にしんでしまう…。

***

こういう映画、女性の方にばかり独占させていいのかね。
日本の状況で、これに類する作品がつくられる一片の可能性のある現場…パッと思いつくのはVシネマだが、こんな良質な作品最近ないよ。ここで「総制作費8億円」っていうのはさほど重要ではない。
カネの有る無しは、とくに日本映画界では関係ないと言い切りたい。600万でも1000万でも、やる気とアイディアで出来るはず。むしろ純然たる一般映画として全国規模で興行する作品で、これだけの画とパワーがある作品が8億でつくれるのなら…作り手側はつくるべきだし、観客は観に行くべきだろう。

(4日、フォーラム2にて)
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