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夕凪の街 桜の国 (2007)
2007 / 08 / 19 ( Sun )
ふしぎな映画だ…ある意味、ストレートにダメなのかもしれない。だが、見方やきもちを切り替えればこんだけ魅力的な作品も滅多ないかもしれない。ご存知こうの史代の出世作、の映画化。

夕凪の街 桜の国

YouTube - trailer 『yunagi no machi sakura no kuni』

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大まかに二部構成。原爆投下後のヒロシマ、でも人々がそれを忘れ去ろうとしている時代に「生かされてしまった」という原罪負って生きる皆実(麻生久美子)の時間と、現代の東京、ふとしたことから父親を追ってヒロシマへ向かう七波(田中麗奈)と、そして彼女たちを取り巻く人々の想いをもひっくるめて、ひょっとしたら未来永劫消えることのないクビキみたいなものを描いている。

その描かれ方は多少あざといし、んま観客を馬鹿にしているような箇所もある。まず、妙にテンポが早い(とくに前半の麻生久美子パート)。台詞のスピードはよいのだが、しっかりした説得力がないままにフラフラと展開する。監督の佐々部清の『出口のない海 (2006)』は観ていないが、良し悪しはともかく『チルソクの夏 (2003)』みたいなどっしりとしたかんじはない(あれはあれでちょい退屈だけどね)。
シリアスな内容だが、原作にあったギャグもわりと忠実に再現。だが盛大に滑ってる。これ罪深いでしょ。
あと、劇伴の付け方が致命的。とにかくレベルでか過ぎ。単純にショットと台詞だけで泣かせろよ。

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だが、後半の田中麗奈パートになると、堅苦しさや不自然さは抜ける。そのへんは女優の力だし、監督も過去が描けないんだろう(それ自体否定的な意味ではない)。いやほんと、後半も所々うざったい描写や流れが寸断されるような台詞が挿入されるものの、観ていて断然心地よい。

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んー。じつは女優しか観てない。しか、観ていられないのが実際。こうの史代ファンのおれでも原作はどう評価してわからないのが正直なところで、あの物語りをどう受け止めればよいのか、コミックからフィルムへの変換はそれなりに、成功しているとはおもう。
TVの終戦記念番組的ベタさ加減コミコミで、そういう意味で見世物にはなっている。だが原作にあったように麻生久美子の今際のキワの台詞の、一種異常なフックを読み手や観客に推し付けたまま現代パートに移行してしまう、この違和感は原作も今回の映画版も同じだった。

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だからさ、女優の話しようぜ。

まず、麻生久美子!これが…んま、麻生久美子は作品に恵まれていないが定説ですが、今回もダメといえばダメかもしれない。だが、えらくキュートな広島弁(ヘタ)をくっちゃべってます。やばい。こんな26歳は速攻ヨメさんにしたいです。
佐々部いわく、「日本三大薄幸女優」の一翼を完全に担った仕事ぶり(残りは石田ゆり子と奥貫薫らっしー…このセレクトはある意味真性の変態。佐々部とはよい酒が呑めそうだ)。こと上記のシーンでの果敢なく、消え入りそうな美しさといったら…。

あと、田中麗奈!!!!!個人的には田中麗奈映画にハズレなし(当然ながら麗奈嬢登場シーンのみな)、なんですが今回はチト蓮っ葉なかんじでこれまた堪りません。ぶっちゃけ28歳で週末の予定もない女をじつに魅力的に演じてます。つか、こんな28歳は速攻ヨメさんにしたいです。
今回はいわゆるバディ物。相手は中越典子!!やべえ佐々部わかってる!つかこの変態!中越典子のどっか憂いだかんじと、麗奈様のレイジーかつどっかやさしい視線がもう…。このコンビでバディ物一本撮ってほしい。『マイアミバイス2』とか。もちろん監督はマンで(邦題は『逮捕しちゃうぞ』で!)。

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結論的には、文句たれる前に見目麗し過ぎる女優が大写しで出てくるので文句も出ないし、泣きのあざとさに引っかかりはしないものの、それでも原作の持つコアな、秘めたる熱はじわじわキッチリ伝わるので、OKです。

(18日、フォーラム3にて)

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