ホラ−映画クロニクル ― TV navi+movie ( 編集;TVnavi編集室/発売;扶桑社 )
2008 / 10 / 08 ( Wed ) こういうムック形式のカタログ本ってすきだったなあ。あんまないよねえ最近こういうの。大判でザクッと、でも図版にしろなんにしろ読み応えたっぷり。表紙もツルツルでテラテラしてて好み。だが面食らったのと同時に感心したのは、製作国ごとにセレクトして時代ごとで編んでる点。お国柄というか、特色が出てて読んでて面白いのだが、ジャンルそのものが資本や製作者のボーダレス化著しいので、近年に成るほど不思議な違和感をかんじる。強烈な匂いを発している『REC/レック』などはともかく、『ディセント』や『ゾンビーノ』は仏産・加産で、でもクリストフ・ガンズの『サイレントヒル』はハリウッドとみなすあたり、製作母体/資本のちがいで区分けしてるのだろうが…なんか解せない。じゃあ『ザ・リング2』は…。
内容そのものは、なんつうか既知な具合なので尚更キチンと誰がどう担当したか書いてほしかったんだけど。あとDVDにしても、まちがいなく中途半端な情報の載せ方なんだよなあ…でも、ちゃんと索引もついてて親切です。メイン執筆は鷲巣義明氏、なかざわひでゆき氏他。映画『おろち』絡みでの鶴田法男と高橋洋の対談もよかった。 ![]() |
別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ ( カドカワムック/角川ザテレビジョン )
2008 / 10 / 05 ( Sun ) "featuring スタジオジブリ"といいつつ、ほぼ宮崎駿&ポニョ本でした。いまだに別冊カドカワってあったんだ…という発見もさることながら、だいたい本屋とか行かなくなってしまって久しいくせに文芸書のコーナーなんて見ないのでつい買った。公開して間もないので半分宣伝本のような体裁だが、暇つぶしにはちょうどよい読み物だとおもいます。編集方針がよくわからないのだけれど、青土社のユリイカなどのような敷居の高さは皆無で、8Pカラーグラビア扱いで7歳児8歳児のかわいいポニョ絵日記が収録。一読してわかるのは、やはり『ポニョ』の凄さを正確に語れる者がまだいないという点。ただ叶精二はさすがに冷静に分析してるなと。それと皆が『ポニョ』について熱く触れているさなか、中条省平ただひとり、普通に『ナウシカ』の感想文を書いている点にも驚いた。
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スカイ・クロラ-The Sky Crawlers-絵コンテ―ANIMESTYLE ARCHIVE ( 押井守/飛鳥新社 )
2008 / 09 / 29 ( Mon ) 紙質がよくて(というか元の製本紙より多少厚くて)、印刷も濃い目になってるので線のかすれも解消されてて、本として読みやすいっちゃ読みやすい(こういうコンテが本道であって、宮崎や今や細田みたいな絵画の如き描きこみ(即レイアウトとか)は、本来のコンテじゃねーだろよバーロwww)。ただし右からでなく左からめくっていくので一瞬あれ?とかおもった。
画コンテって、アニメ演出上のキモだし本質だし、ネタバレの宝庫ですよね。このシーンでこのキャラはこんな表情にしろって簡潔にでも明確に指示が入っているので、念入れて読めば一発でわかる(基本的に集団分業の成果であるため、演出意図がないということがない)。たとえイミフと云われる押井映画であっても、映画一回観て、コンテ読んで、もう一回観れば表面上の不明点なんかないんだよね一発よ。んまーそんな当然のことはさておき、本書のキモは"アニメスタイル"の小黒祐一郎による巻末企画の押井守監督3万文字インタビューである。んまあ、これが問題発言の連発で…要約すると、んがんぐ…ということにしておきます。各種ある関連本で、本紙のみ読めば事足りるなどと口が裂けても…。 ![]() |
仕事道楽 スタジオジブリの現場 ( 鈴木敏夫/岩波新書 新赤版 )
2008 / 09 / 26 ( Fri ) ジブリファンなら大概知ってるようなエピソードも満載で、なかなか興味深い内容ではあった。徳間の一介の記者・編集者だった鈴木敏夫が、当時の上司(尾形英夫)から「アニメージュ」創刊に誘われ、雑誌作りの過程で二人の天才(高畑勲、宮崎駿)に出会い一緒に映画を作りはじめスタジオジブリ創設、今日の『ポニョ』にいたるまでを聞き書きのスタイルで綴る。
さくさく読めるしいろいろ興味深いのだが、なんといっても驚いたのは、著者である鈴木の絵の達者ぶり。ひょっとしたら押井守よりもうまいかもしれない。本文156頁で宮崎キャラ(ポルコ、クラリス、サン)を描いているのだが、なんつうか、多少青臭く練れてない同人臭がしてて、むしろ宮崎自身よりもクる絵柄。藤巻直哉氏(ex.まりちゃんズ)の、どうしようもなさっぷりと鈴木・宮崎の擁護っぷりは必読。 ![]() |
中原昌也 作業日誌 2004→2007 ( 中原昌也/boid )
2008 / 09 / 23 ( Tue ) 毎日書くのならいっそブログでもやりゃいいのに…んま絶対しないだろうし、し始めたら即軽蔑するけど。主に買い物(CDとかDVDとか)と映画鑑賞と多士済々な夜の交遊(カボシャールがなんとかとか)と執筆したくない理由を挙げ連ね、カネの無心やら世界に対しての絶望感やらを記した壮絶な記録。文筆業でこういう、その日々の記録って結構あるとおもうけど(けどよくしらない)、このひとの場合はそれがサブカルチャー方面、ハーシュノイズとかジャーロとか諸々に傾倒してて(や、実際には相当に分裂気味でバラエティに富んでいるが)、真の意味での"消費"ってこういうものなんだぜ、っていう90年代カタログ文化の残り香を強制的にスニッフさせるかのような、そんな凶暴さを満天下に示しているのだな、と勝手に落着する(たとえそれが収支の意味をしらない単なる無駄遣いだとしても)。おそらくこのひと、文筆家でもかなり売れっ子のほうだし(おれはこのひとを小説家、とは見なしていない。ただのエッセイストだとおもう)、一般的でない映画や音楽に血道上げたり、毎夜タクシー飛ばして呑みに出たりさえなければ、おそらく電気止められたりということはないのだとおもう。どこかできっと、真心というか、筋を通そうとしているのだろう…。その、ただのライブやんのに、いまどきPowerBookいっこで済ますことが出来ず、ライブのたびにエフェクター買い足し、そのたびごとに大荷物になって会場に出向き後悔しているような、そんな態度で世の欺瞞を暴こうとしている。ほんで基本的にこのひと友だち多いよね。そこがなんつうか…裏山。でもま基本的にこういうひとは信用がおける。おれも、もっとガンガンDVD買うべきだと自省した。
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押井守ワークス+スカイ・クロラ ( 別冊宝島1546 culture&spo )
2008 / 09 / 05 ( Fri ) バラエティ・ジャパン | 押井守ハプニングにも泰然自若の「グラッツェ」
もうね、きのうの昼すぎから色々アレで。いいじゃねえか無冠で。 そんで、またしても映画『スカイ・クロラ』便乗本。宝島社から出たこれはコンビニでも置けるような軽いムック形式によるもの。ネット書籍通販の素人レビューに多く書かれているように、この本は値段の割りに情報が整っており、リーズナブルな印象。ざっくりと、押井守の最新作『スカイ・クロラ』と、過去の容易には追えない彼のフィルモグラフィーとをコンパクトにまとめている。ついでに小説やゲームなどにも無理なく言及。控えめに云っておくが、おそらく数多の押井本のなかでも親切度はピカイチ。これは予習にも復習にもいいとおもう。いまとなっては、んまあ、最早さみしい行為かもしれないが…。 ![]() |
アニメはいかに夢を見るか―『スカイ・クロラ』制作現場から ( 押井守・編著/岩波書店 )
2008 / 08 / 31 ( Sun ) 映画『スカイ・クロラ』関連書籍。というよりも完全に便乗本。前半は、大量のカラー図版とともに押井守が丁寧に"ですます調"で制作意図やらを語りかける。だがすべて何らかの形で見知っているものばかり。要は、『スカイ・クロラ』制作に関連しておこなわれた報道会見とかインタビューを、語り口調で書き直しただけにすぎない。なので押井を普通にフォローしている人間にとって周知のことばかり。まるで喰いたりない(むしろ、"ですます調"が最高にうざったい)。
後半は、『スカイ・クロラ』でプロデューサーを務めた石井朋彦が、長期にわたる製作期間で伴走者として垣間見たさまざまを、まあまあ品よくまとめて記している。内幕モノとして読んではまずいのだろうか?インサイドからの発言つうことで、なんらかのショックが得られるものと期待したが(併録してる西尾鉄也の一頁漫画のほうが余程スリリング)、んまー押井と作品のパブリックイメージを守りきっただけの退屈な内容。 唯一、今回若き女性脚本家が起用された理由がわかったことのみが新たな発見かなあ(要約すると、公開後1年ほど経ってから『イノセンス』宣伝担当らを集めて、なんでヒットしなかったのかをダメ出ししてもらって押井が自覚したため)。あと、草薙が函南のシーツに手を添えて、ほおずりするシーンの作画を井上鋭が担当したってことがわかってチョイ嬉しかった。…んまあ、カラー頁ばかりでリッチなかんじですが、基本的には引用引用のでっち上げですんで、お奨めはしときません…。 ![]() |






